3歳で無発語、多動だった自閉症娘。成人した今思う、児童発達支援で育てた「成長の種」【読者体験談】
そこには入園当時トラブル続きだったのが嘘のように成長した娘がいました。
児童発達支援での時間があったからこそ、現在の穏やかな日々がある
大人になった今、じっとしていられないということはありません。たまに噛み合わないこともありますが、会話も問題なく続けることができ、職場の人たちとの関係も良好です。児童発達支援での時間があったからこそ、現在の穏やかな日々があるんだなあと実感しています。
ただ、働くようになりお金の管理もだいぶできるようになりましたが、料理や洗濯などはまだまだ……。でも、今のように明るく過ごしてくれれば、それでいいかなとも思います。
親なきあとのことは心配ではありますが、これからもさまざまな刺激の中、娘のペースで成長して人生を楽しんでもらえればと思います。
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イラスト/星あかり
エピソード参考/S.K
(コメント:井上先生より)
お子さんが成人期の今、幼児期を振り返るとその当時悩んでいたことや受けて良かった支援、反省点など、いろいろな思いがあるでしょう。発語の遅れなどに悩まれていた幼児期、療育センターに早期につながり、お子さんに合ったプログラムを受けることによって少しずつ成長を感じられるようになられたのですね。幼稚園と専門機関を並行して活用する並行通園は当時からありましたが、通われていた療育センターと在籍園との連携はとてもうまくいっていたのではないでしょうか。幼児期に親子を支えるさまざまな地域機関が互いに連携できることも大切だと思います。
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。