お子さまの困りごとや課題に向き合うとき、優先順位を何からつけたらいいの?【LITALICO発達特性検査 監修者・井上雅彦先生インタビュー】
例えば、不注意の特性があるお子さまに向けての「分かりやすい手がかりを活用する」というサポートについてを例に挙げてご紹介します。分かりやすい手がかりを用いることで、指示や課題を理解しやすくなるという方法なのですが、その年齢に応じて、よく挙げられる悩みや課題を例示として提示し、その対応方法を紹介しています。
未就学のお子さまの場合は、口頭でのコミュニケーションでの困りごとに対し、「話し始めるときは名前を呼び、注意を引きつけてから話す」という方法が示されます。
中学生の場合は、授業での場面を想定した事例で、「『黄色の文字は重要単語だよ』『下線部は間違いやすいから要確認だよ』など強調して注意を促す」という方法が紹介されています。
ほかにも未就学のお子さまの場合、具体的にボタンをとめる練習方法を挙げていたり、その年齢でのスキル獲得でよくある課題を多く取り上げています。また、サポートの方法も、手助けの量が多めだったり、発達段階に応じて無理のないようなやり方を提示しています。
年齢が上がってくると、本人が自力でできることを目指した対応方法も多くなります。あるいはどうしても難しい場合は人に助けを求めたり、道具を変えてみたり、合理的配慮を求めたりといったスキルや方法を多めに紹介したりといった工夫がされています。
受検されたときのお子さまの年齢で検査結果が出るので、1回の受検ではおそらく保護者の方は気づかないとは思うのですが、もし今後、成長につれて再受検されると、同じ困りごとや特性であっても、レポートで提示される内容が変わる場合があるかもしれませんね。
このように、お子さまの発達段階やライフステージに合わせて、スキルやサポート方法を変えていくという視点もヒントにしていただけるといいと思います。
「これならできそう」を見つけて試す
Upload By LITALICO発達特性検査 編集部
今回は優先順位についてお話ししましたが、LITALICO発達特性検査のいいところは、レポートの段階ですでに優先順位がつけやすくなっていると言うことが挙げられます。質問に回答することで情報がお子さまに合うように絞られること、その中から選択肢が選べるということです。
複数の選択肢が記載されている意味としては、実際には、お子さまにとってどれが合うか、どれが取り組みやすいかは試してみないと分からないということがあります。