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自分らしく安心して生活できる場所を!グループホーム「LITALICOレジデンス」25年5月誕生!特徴や今後のオープン予定は?

LITALICO発達ナビ

LITALICO初のグループホーム、LITALICOレジンデンスとは?


LITALICOレジデンスは、障害のある方の生活を24時間・365日支えるグループホームです。国の障害福祉サービスの一つである「共同生活援助 日中サービス支援型」にあたります。今回は1拠点目となる「LITALICOレジデンス井の頭公園(10室+ショートステイ2部屋)」の管理責任者である松本慎二さんに、グループホームの特徴や今後の展開を聞きました。

障害のある方の一生涯を支える挑戦

自分らしく安心して生活できる場所を!グループホーム「LITALICOレジデンス」25年5月誕生!特徴や今後のオープン予定は?

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松本慎二さん
神奈川県のNPO法人にて理事として就労継続支援、共同生活援助(グループホーム)に管理者として従事、その後、LITALICOライフにて障害のあるお子さまの保護者の方向けのセミナーや親なきあとなどの個別相談を行う部署にてコンサルタントとして業務を行う。その後、LITALICOレジデンス事業部にて「LITALICOレジデンス井の頭公園」の立ち上げから管理者として就任して、今に至る。

――LITALICOレジデンス立ち上げの背景について教えてください。

松本さん:現在の日本では、障害のある方の9割以上がご自宅で生活をされています。特に都心部において重度障害者向けのグループホームが不足しており、「自宅の近くに、わが子が安心して生活できる地域に開かれたグループホームがあれば」という保護者の方の声を多く聴く中で、私たちは障害のある方の一生涯を支える挑戦を始めました。


――立ち上げの準備はどのように進めたのでしょうか。

松本さん:運営や人材育成の部分では、介護福祉士の育成などに尽力されている柴野裕子先生(帝京科学大学助教授) にスーパーバイザーとして入っていただき、さまざまなご指導をいただきました。また、歴史ある事業所にご協力いただきスタッフの外部実習も行いました。
設計・施工については、障害福祉施設の実績も多くお持ちの積水ハウスさんにご協力いただきました。そして、全室バリアフリーの最新設備環境を用意することができました。

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自分らしく安心して生活できる場所を目指して


――「LITALICOレジデンス井の頭公園」の支援体制について教えてください。

松本さん:常勤看護師や理学療法士も所属しており、スタッフが昼3人以上の体制で24時間・365日サポートを行います。健康管理・服薬管理・金銭管理なども対応するほか、訪問診療、訪問看護、訪問歯科、訪問美容などの訪問サービスについても地域と連携しています。


――「共同生活援助 日中サービス支援型」のグループホームは、珍しいのではないでしょうか。

松本さん:はい。入所施設ではなく生まれ育った地域のグループホームで、という流れの中で、特に重度の障害がある方の入居できるグループホームが足りていないという課題がありました。そうした背景もあり、LITALICOは重度障害がある方向けのグループホーム事業をスタートさせたのです。

入居されている皆さんは、日中生活介護に通われる方もいらっしゃいますが、通所せずホームで過ごす方もいらっしゃいます。日中も安心して過ごすことができることに魅力を感じてくださった方も多くいらっしゃいます。

――どのようなアクティビティを予定されていますか。

松本さん:ホームの中のイベントやエクササイズのほか、公園や動物園など周囲の環境や施設も活用していきたいと考えています。
また「地域に開かれたグループホーム」を目指し、地域の行事などにも参加できたら良いですね。今年4月に行った地域の方向けの説明会に多くの方が来ていただき、「避難訓練をするときは声をかけてね」「楽器の演奏会をやりましょうか」など、とても温かく迎えていただきました。自然なかたちでご近所づきあいがスタートできたことに感謝しています。

――お食事は皆さんで取るのでしょうか。

松本さん:基本的にダイニングで食事をしますが、生活介護に行かれる方もいるので一斉にではなく食事のタイミングは適宜調整をします。なお、アレルギー対応や、嚥下の状態に合わせた食形態での提供も行います。

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――入居対象となる方の障害区分について教えてください。

松本さん:支援区分として「障害支援区分4以上の認定を受けている方」としていますが、実際に入居が決まった方は5と6の方です。


――入居料金はどれくらいかかりますか。

松本さん:家賃や水光熱費、食費などを合わせて13~14万円ぐらいとなります。東京都では月24,000円(令和7年度現在)の家賃補助制度を活用できるほか、障害年金や国の補助制度もあるので対象となる方には申請手続きのサポートも行っています。

――入居前の準備は、どのように進めていくのでしょうか。

松本さん:その方が自分らしく過ごせることがとても大切です。グループホームで幸せに生活していただけそうか、お受入れのための体制が取れるかなどの確認を行うため、ご入居を検討いただける場合は事前にご自宅を訪問しヒアリングをさせていただきます。今回は20代の方が多かったため、通われていた特別支援学校に伺い先生のお話しを聞いたり、生活介護事業所に通われている方については事業所に伺いご様子を見学させていただいたりもしました。ご本人についての理解が深まり、リラックスの仕方やご移動の際の安全確保の方法なども確認することができました。


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――「LITALICOレジデンス井の頭公園」は、ご入居は満室となり、ショートステイ(短期入所)のみ受け付け予定ということですが、事前の内覧会ではどのようなお声がありましたか。

松本さん:内覧会には合わせて約100名の方がいらっしゃいました。親なきあとについて真剣にお考えの保護者の方が多く、特別支援学校在学中や卒業直後のお子さんの保護者の方にも多くご参加いただきました。また、「LITALICOレジデンス井の頭公園」のような「女性専用・同性介助」のショートステイ(短期入所)は数が少ないことから、ご利用を希望される方が多くいらっしゃいました。

中の雰囲気については、「明るくて雰囲気が良いですね」とお喜びの声をいただきました。部屋ごとに壁紙の色を変えたり廊下の壁を淡い色にしたりなど、良い意味で「グループホームらしくない」かもしれません。これから開設する施設も同様のデザインコンセプトを予定しています。
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2026年春、2拠点目「LITALICOレジデンス狛江中和泉」がオープン予定


――LITALICOレジデンスの今後の展開について教えてください。


松本さん:すでにお問い合わせを受け付けていますが、2026年春に2拠点目の「LITALICOレジデンス狛江中和泉」をオープン予定です。こちらは20室(+ショートステイ2室)あり、男女ともに入居が可能です。
そのほか2026年度中に杉並区と練馬区にオープン予定で、それ以外にも都内で複数の計画が進行中です。1拠点目のノウハウを活かしながら多くのニーズに応えられる体制づくりを目指します。

早くから将来の選択肢を増やすための準備を


――お子さんの将来に向けて、ご家庭で大事にしたいことはなんでしょうか。

松本さん:小さい頃から将来の自立を見据えて療育や支援を行うことが大切だと思います。例えばグループホームのような場所で共同生活ができるかどうかによって選択肢の数が変わってくるでしょう。また、ショートステイ(短期入所)を活用し、ご家族と離れて泊まる経験をしておけると良いですね。
お子さまが自立するためのスキルを身につけるきっかけになりますし、親離れだけでなく子離れという面でもおすすめです。

――さいごに発達ナビの読者の皆さんへメッセージをお願いします。

松本さん:親なきあとについて直視するのはすごくご負担が大きいと思いますが、早すぎるということはないので気になったその時から準備を始めることをおすすめします。LITALICOでは、誰もが「自分らしい人生」を歩んでいけるよう、さまざまな興味・課題に合わせた情報提供や個別相談を通じてライフプランニングをサポートする「LITALICOライフ」の事業も行っていますので、幅広くご支援ができると思います。お子さんを任せられると思える第三者は多いに越したことはありません。

グループホームに入居するということはご本人にとってはもちろん、ご家族にとっても大きな生活の変化です。ショートステイ(短期入所)から試してみることもできますので、まずはお気軽にお問合せいただければと思います。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

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