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「娘が笑顔でいられるか」を道しるべに。ヒットコラムで振り返る14年、波乱万丈な愛おしい日々【発達ナビ10周年企画コラム5/SAKURA編】

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発達ナビ10周年!ヒットコラムで振り返る「SAKURAさん」一家の14年間!


2026年1月、発達ナビは10周年を迎えます。2016年のサイト開設以来、会員数は45万人を超え、多くの保護者と支援者の皆さんに支えられてきました。本企画では、2020年から連載を続けている人気ライターたちのヒットコラムを紹介しながら、ご家族の成長を振り返ります。

第5回は3人のお子さんを育てるSAKURAさん。SAKURAさんには3人のお子さんがいらっしゃいます。長女の「あーさん」、長男の「きーさん」、次男の「なーさん」。あーさんはASD(自閉スペクトラム症)と診断されています。
あーさんの幼少期の困りからきょうだい間の関係性の変化、思春期での対応の難しさなど、14年間の子育ての中でのさまざまな出来事を、未就学編・小学生編・思春期編と年代別に紹介をいたします。


「娘が笑顔でいられるか」を道しるべに。ヒットコラムで振り返る14年、波乱万丈な愛おしい日々【発達ナビ10周年企画コラム5/SAKURA編】

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【未就学編】手がかからなくて逆に心配に。娘は赤ちゃんの時から母親に興味がなく……


赤ちゃんの頃から母親にべったりとするタイプではなかったあーさん。手がかからず、育児でよくあるような「ママが抱っこしたら泣き止んだ」「ママじゃければダメ」ということもなかったといいます。それに加えて周りの人にもあまり興味がないようで……遊ぶときにはいつも一人だったので「手がかからなくて楽かも」と思っていたSAKURAさんでしたが、2歳半の頃に遊びに行った発達支援センターで「お母さん気づいてないかもしれませんけど、これはけっこう問題です」「この子はお母さんに執着がない……興味がないんです」と言われてショックを受けてしまいます。

ASD(自閉スペクトラム症)の特性としてあげられる「人への興味が薄い」という部分をどのように対応すれば良いのか、悩んでいる方にぜひ読んでいただきたいコラムです。

(執筆者:SAKURAさんより)
当時の私は、第一子ということもあり、なにもかも初めてで、子どもを育てる知識がほぼありませんでした。「放っておいても子は育つ」という昔ながらの言葉を信じ、私ができるのは命を守ることだけだと思っていました。「親と一緒に遊ぶ」ということも、当たり前に娘から求めてくると思っていましたが、娘はその方法も分からない状態でした。「この子はお母さんに興味がない」と言われ、ショックではありましたが、娘の成長のために、できることはすべてやろうと思ったのはこの時です。


【小学生編】娘、やっぱり通常学級が合わないかも?進学先に悩む中で気づけた、たった一つの大切なコト


発達障害のある子どもの小学校入学、保護者として期待と不安が入り混じる方も多いと思います。ASD(自閉スペクトラム症)のあーさんは小学校入学時、通常学級を選びました。しかし、あーさんとSAKURAさんが直面したのは、「授業についていけない」「友だちとのトラブルが増える」などの現実でした。あーさんは自分の気持ちを言葉にする難しさから、周りから責められて泣いてしまう場面も……。

「もしかして、親のエゴで娘が合わない環境にいるのかな……」と悩むSAKURAさんがとった行動は……学校生活における具体的な課題や、保護者としての葛藤に共感する方も多いのではないでしょうか。

(執筆者:SAKURAさんより)
小学校に入学する時、どの学級にするかということには、本当に悩みました。夫婦で何度も話し合いを重ね、発達外来の先生に相談し、なんとか決めましたが、毎日不安でした。

本当にこの決断で良かったのか……毎日、娘の様子に気を配り、「通常学級で良かった」と思う日と、「特別支援学級にしておけば良かった」と後悔する日が交互にやってきていました。
結局、娘は小学2年生から中学3年生現在まで、ずっと特別支援学級に在籍しています。この経験から、今も娘のことで決断が必要なときは「娘が笑顔でいられるかどうか」ということを、大切にしています。

【思春期編】もうすぐ中学生のASD娘「空気は読めるようになるの!?」学校生活や友だち関係が不安でーー児童精神科医三木先生に聞いてみた!


お子さんの学校生活や友だちとの関わりは、尽きない悩みの種かもしれません。特に、周りの状況や相手の気持ちを察する「空気を読む」ことの難しさに、どう寄り添い、サポートすれば良いのか、途方に暮れることもあるのではないでしょうか。

このコラムでは、まさにその悩みを抱えるASD(自閉スペクトラム症)の娘さんを持つSAKURAさんが、児童精神科医の三木崇弘先生と対談し、その悩みを相談します。

学校でのパニック、友だちとのトラブル、なぜ気持ちを言葉で伝えられないのか……といった、保護者が抱える具体的な疑問に対し、三木先生は専門的な視点から深く掘り下げて解説。保護者がどのように子どもの特性を理解し、サポートしていくのが良いか、具体的なアドバイスが満載です。

(執筆者:SAKURAさんより)
この時、娘は小学6年生で、コミュニケーション能力も停滞期に入っていたため、私は焦っていました。
マイペースで周りを気にしない娘の行動を心配していましたが、本人はまったく気にしていませんでした。

あれから3年経って、中学3年生になった娘。三木先生のおっしゃった通り、娘は中学の3年間でとても視野が広くなりました。空気は読めないこともまだありますが、以前より言う前に考えるようになりました。やはり、脳の発達は、待つことも大切だと実感しています。

「娘が笑顔でいられるか」を道しるべに。ヒットコラムで振り返る14年、波乱万丈な愛おしい日々【発達ナビ10周年企画コラム5/SAKURA編】

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子どもの発達に悩んだとき、専門家の意見が直接聞けることは安心につながりますよね。
発達ナビでは専門家から個別アドバイスが届く「発達ナビPlus」を2020年にスタートしました。支援経験豊富な専門家が、保護者のお困り内容を整理し、お子さんの発達状況や環境情報などの分析と、分析に基づく個別最適な手立てをアドバイスします。


SAKURAさんにとって発達ナビとは?


発達ナビさん、10周年おめでとうございます。発達ナビさんのサイトがスタートした年から、コラムを書かせていただいていることを、光栄に思っています。

娘と向き合う中で、うれしい時、悲しい時、コラムを書くことで自分の気持ちを整理でき、同じ悩みを抱える人と繋がることができました。コラムを書き始めた当初、5歳だった娘は、14歳になりました。来年には高校生。これから、落ち着く……なんてことはおそらくないでしょう(笑)。

これからも私は、娘のことで騒いだり、うろたえたり、泣いたりするでしょう。でも、そこには喜びもたくさんある。
娘と私たち家族を、これからもコラムで見守ってくれるとうれしいです。

そのほか、SAKURAさんのコラムはこちらから


(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

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