発達障害のある子を育てる親の苦悩。「もしかして」から「夫の障害受容」まで【アキラ・りん編マンガ全話まとめ】
発達障害のある子を育てる“親の壁”をテーマにした「アキラ編」「りん編」
「うちの子、もしかして…?」
1歳半健診の“経過観察”を楽観視していたあの日から、5歳で診断されるまで、不安と向き合い続けたアキラくんの母親。
「娘の障害を認めない夫」
良かれと思って中学受験を勧める夫とのすれ違いに、心がすり減っていった、りんさんの母親。
LITALICO発達ナビの人気マンガシリーズ「発達障害の子どもと私たち」から、今回は「親の視点」で特に反響の大きかったアキラ編とりん編をまとめてご紹介します。二つの家族の物語は、子育て中のあなたに、何を問いかけるでしょうか。
「なんで気づけなかったんだろう」診断までの道のりを描く【アキラ編】
「言葉は遅くても、うちの子は元気だし大丈夫」
初めての子育てで、そう思っていた母親。1歳半健診で経過観察児となったことに気づかず過ごしていましたが、集団生活が始まると少しずつ周囲との違いを感じるようになります。これは個性?それとも……。
複雑な支援の仕組みに戸惑いながらも、周囲のサポートを受けながら支援に繋がっていくまでを描きます。
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「障害とレッテルをはるな!」夫とのすれ違い【りん編】
「娘の将来のため」と、中学受験を強く勧める夫。しかし、軽度知的障害(知的発達症)・ASD(自閉スペクトラム症)のある娘の成績は伸び悩み、家庭内の空気はどんどん悪化していきます。
「娘のありのままを認めてほしい」と願う妻と、「娘の可能性を信じたい」夫。どちらも子どもを想う気持ちは同じはずなのに、なぜ夫婦はすれ違ってしまうのか。夫婦関係の崩壊危機を乗り越えるまでを描いた、衝撃のストーリーです。
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二つの家族の物語が教えてくれること
子どもの発達と向き合うことは、親が自分自身の価値観や夫婦関係と向き合うことでもあります。アキラくんとりんさん、二つの家族の物語が、今子育てに悩むあなたの心を少しでも軽くするきっかけになれば幸いです。
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。
現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。
ASDはAutism Spectrum Disorderの略。