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障害のあるわが子、将来の蓄えはどう作る?「親なきあと」専門家による事例と障害年金と共済の活用アドバイス【新連載】

LITALICO発達ナビ

「親なきあと」の備え|将来の生活費や資産


「親なきあと」相談室の渡部伸と申します。今月から、発達ナビでコラムを書かせていただくことになりました。
テーマは、「親なきあと」相談室で実際に受けた具体的な相談事例です。発達ナビでは、学齢期のお子さん、発達が気になるお子さんの親や家族からの相談について、それぞれのケースではどのような制度が使えるか、親なきあとの生活をどう想定し、私がどのようなアドバイスをしたか、ご紹介していきたいと思います。

※なお、ここに紹介した事例は、いずれも実際にあった事例に基づいて、家族や環境などは個人が特定できないように変更を加えています。

お金をたくさん残すために、引っ越したほうがいいでしょうか?


【相談内容】
    ●当事者:3歳の女児、重度の知的障害
    ●相談者:父親

「子どもの将来のために、できるだけお金を残したいと考えています。今は職場も住まいも東京なのですが、家賃も高いので、実家のある北関東のA県に帰ったほうがいいでしょうか?また、二人目の子どももほしいのですが、お金はかかってしまうので、どうしたらいいか悩んでいます。」

【アドバイス】
    ●障害年金や医療助成を活用し、今の生活を優先する
    ●「障害者扶養共済制度」や「生命保険信託」を早めに検討する
    ●家族会や書籍で情報を集め、将来の不安を可視化する


まだお子さんも未就学で、先のことがよく分からず大きな不安を抱えていらっしゃるのだと思います。ただ、たくさんのお金を残すために今の生活を変える必要はありません。
特に重度の知的障害の人の場合は、障害年金や医療費の助成などのさまざまな支援の活用によって金銭面の負担を小さくすることもできます。まずは今の生活を大切にしてください。

障害のあるわが子、将来の蓄えはどう作る?「親なきあと」専門家による事例と障害年金と共済の活用アドバイス【新連載】

Upload By 渡部 伸

”そうはいってもお金はあったほうが安心“という場合は、お子さんが将来的に年金の形で定期的にお金を給付してもらえる、障害者扶養共済制度(※1)や生命保険信託(※2)を検討されるといいと思います。これらは加入される保護者の方の年齢が若いほうが、払うお金と受け取るお金のバランスで有利になる可能性が高いので、オススメです。将来のお子さんの生活について、例えば家族会(※3)に入って先輩の親御さんの話を聞く、関連の書籍などを読んで情報を得るなどして、少しずつイメージを持っていただければと思います。そうすることで、やみくもに不安になることは避けられるでしょう。

※1 障害者扶養共済制度
障害者を扶養している保護者が死亡または重度障害になったとき、障害者に毎月2万円(一口)の年金が生涯にわたり支給される制度。申し込み窓口は、市区町村の障害福祉担当部署

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000195619.html
参考:障害者扶養共済制度(しょうがい共済)|厚生労働省

※2 生命保険信託
例えば親が生命保険に加入して、死亡保険金の受取人を子どもにした場合、保険金を一括ではなく、事前に設定した金額を定期的に給付してくれる金融商品

※3 家族会
知的や精神の障害のある人が身内にいる家族が集まり、同じ悩みを語り合い、互いに支え合う会。
障害のある人を支える地域の福祉サービスに関する情報を得られ、先輩の話を聞いて将来についてイメージを持つこともできる。障害の種類などによってさまざまな家族会がある

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

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