母はアスペルガー。そう気づいてから、親子関係に一歩踏み出せた
思い返すと、母は体調の悪い人の気持ちや辛さを全く理解できないところがありました。家族が体調を崩すと、病院へ連れて行くどころか「気合が足りない」「私への嫌がらせなの?」と相手を責めてしまうのです。
母に「嫌がらせで体調が悪いフリをしている」と言われていた祖母を見かねて私が病院へ連れて行くと、心不全を起こしていたこともあったのです。
そして、母は病院を選ぶことができませんでした。発疹が出ているのに整形外科に行ったり、骨折しているのに外科に連れて行かれたり、こうした間違いはしょっちゅうありました。
診察科目ごとに診察内容が違うことを理解できなかったようです。
母のことを「発達障害かもしれない」という視点で考えてみると、私が感じていた「違和感」の謎はスーッと解けていったのでした。
母との厄介な関係は、まるでカサンドラ症候群!
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そう考えてみると、凸凹の激しい母の元で、私は子どもではいられなかったのだと思います。
母と父が離婚したとき、私自身が結婚したとき、母との距離が遠くなるたびにどこかでホッとしている自分がいました。
いつ感情が爆発して八つ当たりされるかもわからずに怯え、当たりちらされるたびに「今度こそ親子の関係を断ち切りたい」と思っては踏み留まり、親子なのに安らぎなど微塵も感じられない、というのが正直な気持ちです。
こうした母との疲れる関係は、ずーっと私を苦しめ続けました。私と母は夫婦ではなく親子ですが、母の言動に疲れきっている私はまるでカサンドラ症候群のようでした。
今でも母に対する複雑な感情は消えません。気持ちの浮き沈みが激しい母からの八つ当たりや、訳のわからないマイルールに辟易しています。
なぜ理解しなくてはいけないのだろう。葛藤する気持ち
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「母は息子と同じアスペルガー症候群である」と認めることは、本当に苦しいものでした。
これまでの事をおもうと「どうして私から歩み寄らなければいけないのだろう」と、受け入れられない自分がいました。なにより、将来自分の息子が「母のようになってしまうのだろうか…」