娘がいじめを受けていると知ったとき。親は学校とどう関わるべきか
子どもが学校でいじめられている…親として正直な気持ち
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10186008131
娘は現在小学校6年生。広汎性発達障害の診断が出ていますが、小1からずっと普通級に在籍し、苦手な授業だけ支援級へ通っています。
これは1年前、娘がいじめに遭っていたときのお話です。
ある日、大好きなおばあちゃんと2人で遊びに行くことがあり、その時にふと「学校でいじめにあっている」と娘が話したのだそうです。
「まさか娘が…!?」
この話を聞いた直後、私は正直信じられませんでした。娘の様子について、妻は「最近元気がなさそう」と言っていましたが、私は異変に全く気付かなかったからです。
これまで娘は、登校を嫌がったり体調が悪くなったりすることもなく、普通に学校に通っていました。驚きつつも、学校でどんなふうにいじめられるのか聞いてみたところ、「お友達から避けられる…」とのことでした。
学校に問い詰めた事実。見えてきたのはいじめの実態だった
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10272003021
いじめを知った私は、事実を確かめるために学校に連絡を取りました。
まず私は、娘のことについては何でも連絡して欲しい、と伝えていたので「なぜいじめについて、こちらが問い合わせるまで何も連絡がなかったのか?」と問い詰めました。担任の先生は「すみませんでした」と謝罪していました。
そして、これまでのことを確認すると、以下のような状況がみえてきたのです。
●いじめは夏休み明けから始まっていた(この時点で、約2ヵ月間続いていたことになる)
●学校はいじめを把握していて、学級会を2度開き、クラスで話し合っていた
●最初関わっていた生徒は数人、アンケートを取ると、いじめに実際に関わっていたのはクラスの半数の人数だった
●いじめは、娘に対して「気持ち悪い」と言う、無視する
●話し合いをしたにも関わらず、まだ何の変化もない
学校と同じ方向を向き、整えていったいじめへの態勢
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10132104304
起こってしまったことは仕方ありません。
私は担任に、2度も学級会を開いてくれたことについて感謝を伝えました。
いじめがあったのは事実ですが、ただ一方的に学校を責めるよりも、それまでの学校の対応を評価すべきと考えていました。
こちらも歩み寄りの姿勢を示すことで、学校側も柔軟になり「親と学校が共にいじめに対処していこう」という雰囲気ができたような気がします。
その直後から、約2ケ月ほど学校を休ませました。娘にいじめについて詳しく聞くと、「みんなと話すのが嫌。戻るのが嫌」と言っていました。
また、自宅ではリラックスしてもらいたかったので、できるだけ普段通り接することにしました。
親と学校、双方が建設的になることで出てくるアイデア
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10272002543
それからは、月2回ほどのペースで学校側と話し合いを行いました。
学校では校長先生のアイデアで、学年全体にアンケートを取り、いじめを見聞きしたか?どんないじめがあったのか?など、詳細な調査をしてくださいました。
また、「いじめに関わっていたクラスに影響力のある子は、クラス委員にさせるのはどうですか?」と、私から学校側へ対策を提案することもありました。
学校に全てをお任せするのではなく、親も自分の意見をはっきり主張することが大事なのでは?と思います。
しかし、感情的に我を通すのではなく、建設的な姿勢で誰もが納得できる策が提案できると、学校も意見を受け取りやすくなるかもしれません。
アンケートの結果で見えてきた原因。これがきっかけで子どもたちにも変化が
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11017003446
その後、アンケートの結果が出てきました。
多かったのが、「授業中、なぜ一部の子たちは支援級に抜けていくのか?」「支援級ってどういう子が行くところかわからない」という回答でした。
このことから私は、「娘だけではなく他の支援級に行っている子は、周りの理解が得られていないのでは?」と校長先生に話しました。
すると校長先生は、「支援級について、支援級の先生から個々のクラスに説明する機会を設けましょう」と言ってくださいました。
説明会の後、児童からは「支援級に行っている子について事情がよくわかった、これからは優しくしようと思う」という声が増えました。
この時点で学校は3学期を迎えていました。いじめが発覚してから約半年です。
娘はまだ、クラスには通えていませんでした。しかし、支援級にだけは通えるようになっていました。
1日に1時間だけ支援級に通い、学校には徐々に馴染めるようにしていきました。
また、当時から仲の良いお友達に協力してもらい、支援級に遊びに来てもらっていました。
その後まもなく春休みとなり、6年生にあがるときにはクラス替えがあったため、このタイミングで通常どおり登校できるようになりました。
いじめを悪にすることは簡単。しかし、理由を探れば解決策も見えてくる
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11017016442
あれから1年が過ぎ、娘は元気に学校に通えています。
その後、いじめられている様子はありません。
実は、娘をいじめていた子どもたちからは説明会の後、娘あてで手紙や絵をもらっていました。
子どもたちには反省の色が窺え、娘に対しての理解も深まったようでした。
この一件で特別仲の良いお友達が増えた訳ではありませんが、それでいいと思っています。娘には、何の問題もなく安心して学校に通える環境があれば、それでいいです。
子どもがいじめに遭っているというのは、親としては衝撃だと思います。相手の子やその家庭、学校に対して憤りを抱く方もいるかと思います。
私自身も、学校の最初の対応には納得がいかず、感情的になりました。
しかしこうした問題は、いじめっ子本人や自分たち親、学校が成長するチャンスでもあると思うのです。学校との連携では冷静になり、子どもの自己肯定感や自尊心を守るためにも、建設的な話し合いや提案ができるといいですね。