知っておきたい子どものこと vol.1 「赤ちゃんへの読み聞かせ」はいいことがいっぱい!
CONTENTS
■絵本の読み聞かせは言語の発達をサポート!■生後、いつ頃から読み聞かせをしたらいいの?■どうして動画じゃだめなの?■専門家が教える! 絵本の読み聞かせのポイント■赤ちゃんへの絵本、いったいどれを選んだらいいの?教えてくれた人
今福理博先生武蔵野大学教育学部幼児教育学科准教授発達科学・発達心理学を専門に、乳幼児期の言葉の発達や社会性ついて研究。発達心理学の観点から制作された絵本「どこかな どこかな?」(エンブックス)が好評。
絵本の読み聞かせは
言語の発達をサポート!
赤ちゃんは生まれてから1年かけて、言葉(母国語)の聞き分けができるようになっていきます。意味がわかる言葉を話すようになるのは1歳前後と言われていますが、生まれたときにはすでにまわりの大人が話す言葉をしっかり聞いています。ですから、この時期はたくさん話かけてあげることが大切。この話しかけるきっかけづくりに絵本はぴったり。読み聞かせをすることで、赤ちゃんは言語をどんどんインプット。ママが赤ちゃんとコミュニケーションを取りながら読み聞かせをするほど、言語の発達レベルが高くなるという研究もあるほど!※ 言語の発達をサポートする以外にも、集中力が高まったり社会性が育まれたりするなど、赤ちゃんにとって好ましい影響をもたらすことがわかっています。
※今福理博・五藤沙耶. (2022). 幼児における紙絵本・デジタル絵本経験と言語・社会性発達. 人間学研究論集, 11, 23-32.
生後、いつ頃から
読み聞かせをしたらいいの?
赤ちゃんは6ヵ月ごろに相手の目をコミュニケーションに重要なものとして認識。アイコンタクトを行うなどの社会的なコミュニケーション能力が芽生えるため、読み聞かせの際にママが絵本に視線を向けると、赤ちゃんも絵本に目を向けたり、ママを見たりするようになります。9ヵ月ごろからは、自分・他者・ものとの3つの関係がわかるように。絵本に描かれているものを指でさしたり、指をさしたときに「〇〇だよ」と言ってあげることで、言葉を覚えていきます。赤ちゃんに読み聞かせをしても理解できているの? と思う方もいるかもしれませんが、言語をインプットするという観点から言えば、生後すぐから言葉は聞こえているもの。理解しているしていないに関わらず、読み聞かせは生まれてすぐからはじめてもいいのです。コミュニケーション能力が発達してくる6ヵ月頃からスタートするのでも、もちろん構いません。