【知っておきたい子どものことVol.3】小さい子どもが抱えるストレスの対処法
CONTENTS
■小さい子どもでもストレスを抱えるもの?■腸と脳はつながっている。ストレスでお腹が痛くなることも。■お腹が痛くなったときの対処法は?■子どもがストレスを抱えているときのサインは?■ストレスのサインに気づいたときの対処法は?教えてくれた人
塩崎尚美先生日本女子大学 人間社会学部 心理学科 教授臨床心理士。臨床発達心理学・乳幼児精神保健が専門。乳幼児からの親子関係や子育て支援にも携わっている。著書に『乳幼児・児童の心理臨床』(放送大学出版社)、『実践に役立つ臨床心理学』(北樹出版)がある。
小さい子どもでも
ストレスを抱えるもの?
子どものストレス、と聞くと、勉強が忙しくなり友達関係も複雑になっていく、小学生以上の子どもが抱えるものだと思われがちですが、小さい子どもでもストレスは抱えるものです。とくに未就学児は、子ども同士で言いたいことを言い合いますし、喧嘩して手が出ちゃうことも日常茶飯事。子どもの日常生活のあるあるですが、次の日にケロッと忘れることもあれば、そのときの精神状態によっては、ストレスになってしまうこともあるのです。他には、大人がまわりの子どもと比べたり、やりたくないことを無理にさせたり、仕事が忙しいときに、自分もがんばっているからがんばってよ、といった過剰な期待もストレスに。
子どもは負荷がかかると、それを解消するためにいたずらをしてしまうことがあります。そのいたずらに対して大人が怒り、さらにいたずらをする……、という悪循環に陥ることも。大人と同じように、子どもも子どもなりにストレスを抱えるということを、まずは知っておきましょう。
腸と脳はつながっている。
ストレスでお腹が痛くなることも。
「お腹が痛くて保育園に行けない……」。昨日の夜まで元気だったのに朝になるとお腹が痛いと訴える。これが続くと、「本当に痛いの?」「ただ行きたくないだけじゃないの?」「冷たいものの食べすぎ?」と思ってしまう人も多いのではないでしょうか。
実はこの腹痛にも、ストレスが大きく関わっているのです。腸と脳は実は密接に関わりあっていて、これを“腸脳相関”と言います。近年、このメカニズムが解明され、あるホルモンが腹痛に影響していることがわかってきました。ストレスがかかるとこのホルモンが放出され、脳から胃や腸の働きに関係する司令が出ます。すると、胃と十二指腸の働きが抑えられ、腸の働きだけが活発に。