【土屋アンナさんが考える、家族のあり方と子育て】映画『長ぐつをはいたネコと9つの命』 | HugMug
例えば、私が男性と戦いに行ったとして、普通は男性が先に戦いに行くのかもしれないけど“私が先に行きます!”みたいな。男女対等な関係ですね。キティのプスに対する母性や助けてあげたいというやさしさにも共感します。そういう意味では、私とキティはすごく似ていてやりやすかったです。一方で、ちょっと人を騙しちゃうような可愛げのある表情は、私が持ち合わせない部分だったりするので(笑)、可愛い子ぶるような声を出すのは、ちょっと難しかったですね」
——今回の物語は、スケール感のあるストーリーや豪華なアクションが見どころでもあります。アンナさんのお気に入りのシーン、好きな場面などはありますか。
「キティがプスに騙されたと思って、“あなたは自分のことしかやらないのね”と言うシーンですね。キティは淡々として怒ってはいないけど、すごく悲しくて深く傷ついている。
あのシーンで、キティが崩れ落ちるでもなく、“私は私でやるからいいけど、あんたは私を傷つけたのよ”ときっちり説明して去っていく姿にはグッときちゃいます」
——ヒロイン像としても新しく、かっこいいですよね。アンナさんの話を聞いていると、子ども向けのアニメーションに留まらず、大人が感じる部分が多い作品にも思いました。
「見方によっては、ものすごくメッセージ性が強いと思います。例えば、願い事って、みんなそれぞれあると思うけれど、気づいたら実は叶っている、というのも印象的ですよね。3匹のクマと一緒にいるゴルディがそう。家族が欲しいと思っていても、愛を確かめ合えるなら、血のつながりや形はどんなものでもいい。今の世の中、いろいろなシチュエーションの家族がいると思うから人と比べちゃいけないんですよね」
——視点を変えてみると、気づきの多さに驚きますね。
私の役目は子どもの命を守ることだけ
子どもの人生は子ども自身のもの
——アンナさんは18歳から下は4歳の、4人のお子さんを育てられていますが、子育てで大切にしていることは何でしょう。
普段、子育てで悩むことはありますか。
「悩まないですね。4人それぞれ得意不得意が違うし、私とも違いますし。それぞれに合った道に進めばいいと思います。もちろん大まかなレールは引いてあげる必要はあると思いますが、そこから誰と出会うか、何に目覚めていくかは誰も分からない。それなのに親がレールを引いてしまうと、完全に私の人生になってしまいます。