英語が得意な子どもに育てたいなら、これだけはやっちゃダメ! コミュニケーション方略とインターアクション仮説
自分が本当に「言いたいこと」と、実際に英語で「言えること」のギャップは、英語を使おうとすると必ずといってもいいぐらい直面する問題です。
そうしたギャップに出会ったとき、皆さんはどうしますか?多くの学習者は「沈黙」してしまいますね。日本語で「えーと」が出てから、ぎこちない時間が流れることになります。
または、何とか言い換えようとするでしょう。例えば「終身雇用制度」に相当する英語がみつからないとします。
ぴったりした英語は “lifetime employment system” ですが、知らなければ、その意味するところをなんとか伝えるしかありません。“You can work until you get old.”(歳をとるまで働く)のような言い換えをする人もいるかもしれませんね。
「コミュニケーション方略」の実態
この2つの例は、第二言語習得研究者たちが「コミュニケーション方略」と呼ぶ具体的事例を表しています。
「えーと」で沈黙するのは「話題の放棄」という方略です。一方、言い換えて伝えようとするのは「パラフレージング」という方略です。放棄は消極的、言い換えは積極的なコミュニケーション方略になります。
ほかにも、このような方略があります。
・話題の回避
・翻訳
・手振りで伝える
・相手に援助を求める
わからないからと言って、話題を放棄するのはNG
日本人学習者は、英語で表現できないと感じたとき、バツの悪い沈黙をした末に、話題を回避したり、放棄してしまう傾向があります。
話題の回避は、ある種の防衛本能から生まれるものかもしれません。つまり、英語で表現できず、間違ったことを話すと笑われてしまうかもしれないと思い、自信のない話題をつい避けてしまうのです。
しかし相手は、こちらの思いをそのように解釈してくれるとは限りません。場合によっては「自分と話したくないから、無視している」と受け取られることもあります。
相手は、あなたの英語に興味があるのではなく、あなた自身に興味があるのです。そのため、回避や放棄といったコミュニケーション方略は、マイナス効果を生む可能性が大です。
そこで話題を回避したいときは、そのことを英語できちんと表現する必要があります。
I want to talk about this topic, but I don’t know how to express my ideas in my English.(話したいんだけれど、自分の考えを英語でなんて表現すればいいのかわからないんだ)
このように言語化すれば、相手は状況を了解してくれるでしょう。