子どもに「作文レシピ」を与えよう――“花マル”な作文が書ける「誘導文付きテンプレート」
料理と同じように作文にもレシピが必要
今は料理が得意なお母さんやお父さんにも、かつてレシピとにらめっこしながら料理を作っていた時期があるのではないでしょうか。なぜレシピが必要かといえば、一度も作ったことのない料理を何も参照せずに作るのは難しいからです。一度も料理をしたことのない人が、食材と調味料だけ渡されて「おいしい肉じゃが」を作りなさい、と言われても作れるわけがありません。誰もが初めはレシピを必要とするのです。
作文は料理に似ています。10歳に満たない子どもに「ちゃんと作文を書きなさい!」と怒っている親御さんは、レシピも見せず、また、やり方も教えずに「おいしい肉じゃがを作りなさい」と言っているのと同じです。まだ文章の作り方を知らない子どもたちに必要なのは、作文の書き方がわかる「作文レシピ」の存在です。
子どもも喜ぶ「誘導文付きテンプレート」
「作文レシピ」とはどういうものでしょうか?それは文章の流れ(手順)を教えてあげるテンプレートのことです。たとえば、筆者は大人向けの文章講座のなかで、よく「結論優先型」というテンプレートを紹介します。この型の流れは「結論→理由→具体例→まとめ」です。ビジネスからプライベートまでさまざまな文章に使える万能テンプレートです。しかし、このテンプレートを子どもに渡しても、使いこなすのが難しいかもしれません。
そこで、子どもには簡略バージョンの「結論→理由→まとめ」をおすすめしています。しかも、より使いやすいものにするために、丁寧な「誘導フレーズ」まで付けています。
テーマ「わたしの好きなもの」
結論:わたしはが大好きです。
理由:その理由は(だ)からです。
まとめ:だから、わたしはが大好きです。
これが基本テンプレートです。実際に書き込むと以下のようになります。
テーマ「わたしの好きなもの」
結論:わたしは走ることが大好きです。
理由:その理由は汗をかくと気持ちいいからです。
まとめ:だから、わたしは走ることが大好きです。
誘導文があることによって、子どもたちは書くべきことを頭の中で考えることができます。
もちろん、これで花マルです。くれぐれも、書いたものに対して「つまらない」だの「もっと詳しく書け」だの言わないでください。作文にケチをつけられた子どもの気持ちは、あなたが作った肉じゃがに、「味が薄い」「砂糖を入れすぎ」