ね・うし・とら……十二支がグッと身近になる! いもとようこさん『十二支のはじまり』
こうした歴史をもつ十二支にまつわる伝説が、『十二支のはじまり』という物語として、語り継がれているというわけなのです。
ちなみに、十二支の動物を漢字で表すと、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥。この十二支を使った表現を、私たちは今でも日常的に使用しています。その一例が「午前・正午・午後」。23時~1時を「子の刻」とし、以後2時間ごとに十二支をひとつずつ割り当てると、11時~13時が「午の刻」にあたります。午の刻のなかでも真ん中の12時を「正午」、それより前・後を「午前・午後」と呼んでいるのです。
また、「十二支」と混同しやすい言葉として「干支(えと)」があります。干支とは、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸から成る「十干(じっかん)」と「十二支」を合わせたもの。
十干の「甲」と十二支の「子」を合わせた「甲子(きのえね)」からはじまり、60年で一周するようになっています。「今年の干支は戌」と言うケースもありますが、厳密に言えばこれは誤用ですので、注意しましょう。
いのししへの興味がわく絵本『ぐる ぐる ぐる』
さて、来年2019年は「いのしし年」。ですが、いのししは身の回りにいる動物ではないので、「いのししってどんなどうぶつ?」と聞くお子さんもいるかもしれません。そこで、いのししが登場する絵本を1冊ご紹介します。『十二支のはじまり』とセットで読めば、子どもの十二支への興味がさらに高まるはずです!
『ぐる ぐる ぐる』
内田麟太郎 作/長野ヒデ子 絵
のんちゃんがぐるぐるぐると指を回すと、いろいろなものが目を回します。トンボは簡単。イノシシが突進してきても、おばけがおそってきても平気です。
そしてついに意外なものを…。声に出して手ぶりもつけると楽しい絵本。「ぐる ぐる ぐる」と指を回して、楽しみましょう!
【広報担当より】
長野ヒデ子さんの描くイノシシ、とっても勢いがあって強そう。でも、のんちゃんは「へいき」、ぐるぐるぐる~っとやっつけちゃいます。読み聞かせでも、みんなで声を出して「ぐるぐるぐる」しながら楽しんでくださいね。
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年末年始は、日本に根付いた十二支の文化に触れる良い機会です。親戚や親しい人に年賀状を出してみたり、「私は○○どし生まれ。ママはなにどし?おじいちゃんはなにどし?」といった会話をしたりして、親子で十二支に親しんでみてはいかがでしょうか。