食べ物の歴史や季節感を子どもに伝えよう! 年末年始ならではの料理には意味がある。
年末年始になると子どもは冬休みに入り、家族で過ごす時間が増えますよね。この時期は、大みそかにお正月とイベントがめじろ押しで、それに伴って年越しそばやおせち、お雑煮など、昔から日本で親しまれている料理を食べる機会がたくさんあるでしょう。
その時期ならではの料理を楽しむ意味を子どもに教えることは、家族間のコミュニケーションを充実させたり、子どもが食べ物や栄養について考えたりするきっかけに。
今回は、年越しそばやおせち、お雑煮や七草粥といった年末年始の料理の意味について紹介します。ぜひお子さまと一緒に「〇〇を食べる意味はね……」と話してみてくださいね。
■年越しそばを食べる意味
年越しそばを食べる意味には諸説あります。
■細く長く伸びるそばは、寿命や家運を伸ばすとされたため。
■そばは切れやすいことから、1年の苦労や厄を断ち切るとされたため。
■金箔を使う職人が、飛び散った金粉を集めるのに練ったそば粉を使っていたことから、そばは金を集めるとされたため。
■大みそかに貧しい人々に向けてそば餅を振る舞ったところ、翌年から彼らの運気が上がったことから、大みそかにそばを食べると運がつくとされたため。
そばの特徴から縁起を担いでいたり、実際の出来事がもとになっていたりと、さまざまなケースがありますが、いずれの場合も新しい年を良いものにしたいというポジティブな思いがあるようです。
また、そばの薬味として欠かせないネギにも、疲れを労うという意味の「労ぐ(ねぐ)」、祈るという意味の「祈ぐ(ねぐ)」、神職の「祢宜(ねぎ)」といった言葉にかけて、1年の頑張りを労いつつ、新年を良いものにしたいという願いが込められています。
■おせちを食べる意味
「おせち」とは暦上の節句(季節の節目)のことで、節句に食べる料理をおせち料理と呼んでいました。現在では節句の中でも特に重要な正月に食べる料理を指す言葉として使われています。
おせちには煮物や酢の物など、日持ちのする料理が多いですが、これには普段から料理を担当していることの多い女性にお正月の三が日はゆっくり休んでもらうという意味があるのです。
また、お正月は神様をお迎えする時期であり、お正月に火を使うなどして台所を騒々しくするのは良くないとされていることもかかわっているようです。また、おせちが詰められる重箱には「めでたさを重ねる」