我が子を “自己チュー” にしないための3つの習慣 ~自己肯定感と自己寛容の関係~
最近よく耳にするようになった「子どもの自己肯定感」。平成26年度版のこども・若者白書で、諸外国に比べて日本の子どもたちの自己肯定感が低いことがわかり、国も提言を出しています。
子どもが自分の存在意義や価値を認めることができるのは、その後の成長においてとても大事です。しかし、その育み方次第では、自己中心的なわがままな性格になってしまう危険性もはらんでいます。
そうならないように、何に注意すればいいのかを知っておきましょう。今回は、「自己肯定感」とセットで考えなければならない「自己寛容」についてお話しいたします。
自己肯定感とは?
独立行政法人国立青少年教育振興機構で理事長を務める鈴木みゆきさんは、子どもの自己肯定感について以下のように話しています。
■なにかに挑戦するときに「わたしにはできる!」と思うこと
■「自分が大事な存在だ」「自分はここにいていいんだ」と自分を認める意識
■「自分が好きだ」という気持ち
このように、自己肯定感とは、自分の存在価値を認め、自分を信じてあげられる気持ちを持つことです。
そして、自己肯定感を高めるには、さまざまな体験をしたり、家族の愛情を感じることがよいとされています。
しかし、自己肯定感を持つことはとても大切ですが、どうやら気をつけなければいけないポイントがあるようです。
自己肯定感の落とし穴
思考回路や習慣などの人としての基礎は12歳までにほぼ決まると言われています。ですので、それまでに自己肯定感を持てるようになることはとても大事で、そのために親の言葉がけや接し方がとても重要になってきます。
心理カウンセラーの中野とも子氏は、子どもの自己肯定感を以下の3つに定義づけています。
(1)無条件の自己肯定感
(2)条件付きの自己肯定感
(3)自己肯定感の低い状態
もちろん、いちばんいい状態は(1)です。注意したいのは(2)の状態で、誰もがつい陥りがちなのだとか。例えば、「テストでいい点数を取ったときだけ褒める」「かけっこで1番になったときだけ褒める」など、条件付きで愛情を示すことを続けると、子どもは「何か成果をあげないと自分の価値がない」と感じるようになってしまいます。
そしてもうひとつの懸念が、自己肯定感の高まりが「自分は完璧」という行きすぎた感情を生んでしまうこと。これにより「自分は正しい。悪いのは周り」という自己中心的な思考回路に陥ってしまい、人間関係などに悪影響を及ぼす可能性が出てきます。