子育て情報『「外遊び」は有能感や自己肯定感を伸ばす――でも、効果のほどは「親次第」』

「外遊び」は有能感や自己肯定感を伸ばす――でも、効果のほどは「親次第」

ことになる。これが4つ目。外遊びは、これらの4つがすごく豊かに含まれるものなのです。

「外遊び」は有能感や自己肯定感を伸ばす――でも、効果のほどは「親次第」


もっとも重要なことは親が一緒に楽しむこと

もちろん、外遊びは、みなさんにとってもっと耳慣れた力を伸ばすことにもつながりますよ。自分で決めたことだから夢中になってやり続ける——集中力。試行錯誤しながらいろいろと工夫する——発想力。やり遂げたことで自分を好きになる——自己肯定感。親など他者との関係性を保つために情報や意志の交換をする——コミュニケーション能力、といった具合です。


外遊びの効果は枚挙にいとまがない。逆にいえば、こういうものをちゃんと育ててあげないと、せっかくの外遊びももったいないとも言えます。

子どもの自律性の発達を妨げるのなんて簡単ですよ。「ああしなさい」「これしちゃ駄目」「こうしたほうがいいんじゃない?」と言うだけでいい。子どもが「やったー!見て!」と誇らしげに言ってきたときに、「そんなの大したことないじゃない」と言えば有能感は育たないし、「後でね」と言ってスマホをいじっていれば関係性が育たない。

つまり、子どもに外遊びをさせるにあたっては、「親の関わり方」がすごく大事なのです。それ次第で、同じことをしても、子どもの成長という観点からすれば、まったくちがうものになってしまう。

とはいえ、先にお伝えしたように、考え過ぎる必要はまったくありません。
外遊びの効果を最大限に子どもにもたらすには、あれやこれやと言わず、子どもと一緒になって親御さんもただ楽しめばいい。それに尽きます。

「外遊び」は有能感や自己肯定感を伸ばす――でも、効果のほどは「親次第」


『人と自然をつなぐ研究 ネイチャーゲーム大学講義録』
石﨑一記 他 著/日本シェアリングネイチャー協会(2016)
「外遊び」は有能感や自己肯定感を伸ばす――でも、効果のほどは「親次第」


■ 心理学者・石﨑一記先生 インタビュー一覧
第1回:「外遊び」は有能感や自己肯定感を伸ばす――でも、効果のほどは「親次第」
第2回:「公園遊び」に道具は必要ない――外遊びは「なにもないところ」から始めよ(※近日公開)
第3回:意外すぎる自然遊びで一番大事なこと――“外遊び”の専門家が語る「シェアリングネイチャー」入門(※近日公開)

【プロフィール】
石﨑一記(いしざき・かずき)
1958年7月18日生まれ、埼玉県出身。東京成徳大学応用心理学部教授。専門領域は発達心理学、カウンセリング、環境教育、キャリアコンサルティング。動機づけ、自然体験が子どもの発達に及ぼす影響、キャリア発達を研究テーマとする。

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