子育て情報『「公園遊び」に道具は必要ない――外遊びは「なにもないところ」から始めよ』

「公園遊び」に道具は必要ない――外遊びは「なにもないところ」から始めよ

目次

・「なにかで遊ばせる」という発想をやめる
・生き物を殺した罪悪感がもたらす道徳性
・親が与えるべきものは環境と安全
・「遊ぶ」ということのイメージを広げる
「公園遊び」に道具は必要ない――外遊びは「なにもないところ」から始めよ

子どもに外遊びをさせる身近な場所としては、まず公園が挙げられるでしょう。とはいえ、最近の公園は禁止されている遊びも多いもの。そんななかで、どのような遊びをさせれば、子どもの成長を促すことができるのでしょうか。アドバイスしてくれたのは、「自然体験が子どもの発達に及ぼす影響」を研究テーマにする心理学者・石﨑一記先生です。

構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)

「なにかで遊ばせる」という発想をやめる

公園遊びをするにも、最近の公園ではいろいろと規則が多くてできない遊びも多いですよね。であれば、「なになにで遊ぶ」という考え方をなくせばいい。

そもそも、外遊びは基本的になにもないところからはじめるほうがいいのです。いまの子どもの多くは、「なになにで遊ぶ」に慣れてしまっていて、「どこどこで遊ぶ」ことが苦手です。
なにもない公園に行ってもなかなか遊べない。でも、放っておけばいいんですよ。そうしたら、子どもは自分で遊びを見つけますから。

そういうときに、親がなにかを用意してしまうと、結局は「なになにで遊ぶ」を助長することになる。だって、子どもなら、葉っぱ1枚あればずいぶん遊べるものですよ。それなのに、親が「公園に行くんだったらフリスビーがいいかな、バドミントンがいいかな」なんて言い出すから、子どもが遊べなくなる。

子どもが「ボールがほしい」なんて言っても、そこらにある松ぼっくりでも与えればいいんですよ。そうしたら、子どもはキャッチボールなんかよりよっぽど面白い遊びを考え出します。


親は子どもに「なにかで遊ばせる」という発想をまずやめること。そんなことよりも、子どもと一緒にその場にいてあげることに、すでにものすごく価値、意味がありますから。

「公園遊び」に道具は必要ない――外遊びは「なにもないところ」から始めよ


生き物を殺した罪悪感がもたらす道徳性

遊具なんてなにもなくても、花を摘んだり、四つ葉のクローバーを探したりするようなことだってできる。アリの行列をずっと眺めているような子どももいるでしょう。子どもにとっては、それは大冒険なのです。

そして、なかにはアリなどの生き物を殺してしまう子どももいる。親御さんのなかにも、虫眼鏡でアリを焼いたり、他の虫や生き物を殺してしまったりした経験を持っている人もいるはずです(苦笑)。でも、この残酷さにも意味がある。
生き物を殺した後の罪悪感が、やがて小学生以降に発達する道徳性の基礎になるのです。

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