“美味しい”か“美味しくない”か。結果がすぐにわかる料理は、子どもがPDCAを学ぶのに最適
「賢い子どもに育てたい」と、子どもが幼い頃からさまざまな習い事に通わせている親御さんも多いでしょう。でも、「自宅でできる『育脳法』があるのに」と少し残念がるのは、オリジナルの育脳レシピ開発で子どもを持つ親御さんのファンも多い管理栄養士・小山浩子さん。その育脳法とは、なんと「料理」なのだそう。
構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)
料理にはPDCAサイクルのすべてが含まれている
子どもをより賢く育てたいと思えば、子どもであってもPDCAサイクルをまわせるような人間にしていく必要があります。
なぜかというと、結局、勉強ができる子どもというのは、自分で勉強の計画を立て、実行し、自分の問題点を見つけ、それを改善してくことができる人間だからです。まわりの優秀な子どもを観察して、どういう勉強法がもっとも無駄がなく効果的なのかということを導ける観察眼も必要とされるものでしょう。
もちろん、こういった能力は大人になれば仕事などその他のことにも応用できるもの。
人間としての成長を大きく助けてくれるものです。
子どもにPDCAサイクルをまわさせるというと、驚く人も多いはずです。でも、じつは5歳くらいまでの間に大人の脳の9割ができあがるとされています。つまり、5歳児の脳は、その能力でいえば大人の脳とそれほど変わらないということ。
もちろん、知識や経験は圧倒的に足りませんから、子どもがPDCAサイクルをまわせるようになるには、大人がそのやり方を教えてあげる必要があります。そして、そのやり方を教えるために最適なものが、「料理」なのです。
なぜかというと、料理にはPDCAサイクルのすべてが含まれるからです。レシピという計画書があり、実際に調理をして、美味しくできたのかを確認して、失敗すれば改善点を探す。
まさに、PDCAサイクルそのものですよね。それに、お母さんの料理の仕方を観察して、うまく取り入れるということもできます。
料理は脳を育てるためのメリットだらけ!
また、料理には他にも「育脳」に適した点がたくさんあります。まずは、「指」をいっぱい使うこと。脳の発達には指を動かすことが効果的だという話は耳にしたことがある人も多いでしょう。料理は、どんなプロセスも指を使うものばかりです。
また、「五感」のすべてを使う点でも料理は育脳に効果的です。