子どものやる気をグイっと引き出す、3つの「ご褒美」テクニック
「今度のテストを頑張ったら、おもちゃを買ってあげるね」「お手伝いしてくれたら、お小遣いをあげるよ」——このような、“もので釣る”という行為をしたことのある方は少なくないと思います。
実は、こうした行為が「アンダーマイニング効果」という現象を引き起こし、子どものやる気を奪ってしまう可能性があることをご存知でしょうか。
今回は、子育て中の方にぜひ知っていただきたい、子どものやる気と「アンダーマイニング効果」の関係性について詳しく説明します。
どっちが大事? やる気には2種類ある
やる気(=動機づけ)には、2種類あります。ひとつは、達成感や充足感、行動そのものに対する喜びといった自分の内部から生み出される「内発的動機づけ」。もうひとつは、報酬や評価、賞賛といった外部からの刺激により生み出される「外発的動機づけ」です。
例えば、掃除をするとき、「部屋がきれいになるのが嬉しいからやる」というのは「内発的動機づけ」、「掃除をしたらお菓子がもらえる約束をしているからやる」というのは「外発的動機づけ」です。
やる気を持続させるためには「内発的動機づけ」が大事だといわれています。
なぜなら、「外発的動機づけ」には物理的な限度があり、長続きしないからです。例えば、親が子どもに「掃除をしたらお菓子をあげる」と約束しても、掃除をするたびにずっとお菓子をあげ続けることはできません。
また、「外発的動機づけ」による行動の場合、次第に行動の質が落ちていくことがあります。例えば、「お菓子がもらえればいいや」と適当に掃除を終わらせたり、親が見ているときだけ掃除したりといった悪知恵が働くからです。
一方、「内発的動機づけ」によって掃除をする場合は、掃除そのものにやりがいを見出して行うため、やればやるほどもっと掃除が好きになったり、上達したりといったことも期待できます。子どもの成長を願うなら、「内発的動機づけ」を引き出してあげることが必要なのです。
やる気を奪う!?「アンダーマイニング効果」
ところが、親が知らず知らずのうちに、子どもの「内発的動機づけ」を奪ってしまっていることがあります。それは、「アンダーマイニング効果」によるものです。
「アンダーマイニング効果」とは、もともと持っていた「内発的動機づけ」に対して、「外発的動機づけ」がマイナスの影響を与え、やる気を減少させてしまうことです。