“折れない心” の育て方――ストレスをコントロールして何度でも立ち上がれる子に!
我が子の未来が順風満帆で輝かしいものとなるように……親であればそう願っていますよね。しかし実際には、他人からの心ない態度に傷ついたり、自分の能力に限界を感じたりするでしょう。
そんなとき、「前を向く力」があれば、もう一度立ち上がることができるのです。
いま、どんな困難な状況にあってもめげることなく前を向いていける力が求められています。お子さまの「前を向く力」を育てるために、親ができることを考えてみました。
やり場のない気持ちは「切り替える」「やりすごす」
子どもは、自分ひとりで解決できない困難を目の前にしたとき、親や先生などの身近な大人に「なぜ悩んでいるのか、苦しんでいるのか」「どうしたいのか」を言葉で伝えられないことがよくあります。原因がいくつも絡み合って、自分の中で整理がうまくできないために言語化できないのです。
私たち大人の社会においても、似たようなことは起こります。
すべてを白黒はっきりつけて解決できればいいのですが、そうとも限らないのが現実です。傷つき悩む子どもたちは、困難な状況をうまく乗り越えられないでいると、頭痛や腹痛など身体の不調を訴えることもありますし、不登校になってしまうこともあります。または、抱えているストレスをいじめや暴力で発散するケースも考えられます。
この時代を生きていくには、困難に立ち向かう方法だけでなく、やり場のない気持ちをうまく切り替える方法ややりすごす方法を身につけて、前を向いて進む力が求められています。この力を「レジリエンス」といいます。
海外では40年近く前から「レジリエンス」について研究が進んでいましたが、国内でレジリエンスが注目されたきっかけのひとつは、2011年3月11日の東日本大震災だといわれています。そのため、防災や減災といった意味合いで使われることもありますが、心理学では「逆境やトラウマ、惨事、脅威、もしくは重大なストレス源に直面したときにうまく適応するプロセス」(アメリカ心理学会)と定義されています。
前を向く力「レジリエンス」が高い人の特徴
「レジリエンス」は、誰もが元々もっている力で、大人になってからでも高めることができます。
逆に、心身の疲労によって衰えることもあります。
人によってレジリエンスの程度には差がありますが、高めていくには次のようなことがカギになると埼玉学園大学の小玉正博教授は述べています。