思考と行動、男女の違いを徹底解説。“男の子らしさ”“女の子らしさ”が伸びる教育方針
感受性の強さが女性の特質であり人間的魅力であるのなら、やっぱり女の子の場合はその感受性を壊すことなく大切に育てていくような教育が必要でしょう。そのために必要なことは、できるだけ自然の「生」を体験させるということ。
たとえば、人間が調理などの手を加えていない果物を味わう。その際には、味覚だけではなく嗅覚でも自然の「生」を味わっていることになります。ただ、視覚と聴覚の場合はそう簡単ではありません。わたしたちのまわりの目や耳に入るものは、映像や音楽、騒音といった、人につくられたものが多いからです。
それでも、意識的に探せば見つかるものです。風や雨の音、鳥の声、そういうものに敏感に反応する。
公園などにある草木を気に留めていれば、その変化を味わうこともできるでしょう。もちろん、たまには景色のいい大自然に連れて行ってあげてください。これら、自然の「生」を味わいながら芸術に親しめば、感受したことを自分で表現できるようにもなります。そうすると、さらに感受性を高めることができるようになるのです。
女の子は感受性、男の子は好奇心を伸ばす
一方、「なにか面白いことはないか」とすぐに動き回りたくなる男の子の場合は、その好奇心と行動力を伸ばしてあげなければなりません。
ここで、男女に対するわたしの考えにおけるそもそもの前提についてお伝えしておきましょう。わたしたちが置かれている状況、これを「境遇」と呼びます。そして、境遇以外の一切のことは「環境」です。
環境から境遇になんらかの出来事、たとえば夏の森で涼しい風を感じる、美しい景色を見るといったことが起こったとします。それを受け取ることが、女性が得意な「感受」です。
では、感受したらどうすればいいでしょうか。ただ受け取るだけではもったいない。「気持ちいい!」「すごい!」「綺麗!」というふうに言葉を発してもいいし、文章や音楽、絵にする、カメラで撮影するということでもいいでしょう。感受性を伸ばす手法として先に少しお伝えしましたが、さまざまなかたちで、「心情表現」をするのです。
もうひとつのパターンがあります。環境から境遇になんらかの刺激が届くと、「好奇心」が起きますよね。
そうすると、どうすればいいか。それは、「追体験」です。「こんなものは見たことがないぞ」などといった好奇心に従って、行動を起こすのです。
極端にいえば、人間がやっていることはこのふたつのパターンしかありません。