思考と行動、男女の違いを徹底解説。“男の子らしさ”“女の子らしさ”が伸びる教育方針
そして、「感受して心情表現する」パターンは女性を、「好奇心を持ち追体験する」パターンは男性を成長させるのです。
男の子の教育についての話に戻しましょう。女の子にはその特徴である感受性を伸ばしてあげる教育をするという考え方と同様に、男の子の場合にも好奇心に従って行動する力を伸ばしてあげるといいと思います。
近年、教育現場における問題のひとつに挙げられるのがADHDです。すぐに気が散ってうろちょろしてしまうという、「注意欠陥・多動性障害」のことですね。ただ、わたしからすれば過剰にとらえ過ぎているようにも思えるのです。そうした傾向を無理に押さえつけようとするばかりでは、好奇心旺盛で行動的という男の子の特徴を消すことにもなりかねません。
そういう前提で考えれば、その好奇心と行動力を存分に発揮できる環境を親が用意してあげるべきでしょう。
学校の授業中にはちょっと問題になる行動でも、豊かな自然環境のなかでならなんら問題はありません。もちろん、子どもをひとりで山や海に行かせるわけにはいきませんから、週末に一緒に遊びに行く時間を確保する努力も親御さんには求められることなのかもしれませんね。
『将来の学力は10歳までの「読書量」で決まる!』
松永暢史 著/すばる舎(2015)
■ 教育環境設定コンサルタント・松永暢史さん インタビュー一覧
第1回:“AIに勝つ力”は学校教育では育たない。親にしか伸ばせない子どもの「7つの力」
第2回:国語力は“〇〇の音読”で爆発的に伸びる。読むだけで子どもの頭がよくなる名作本の選び方
第3回:思考と行動、男女の違いを徹底解説。“男の子らしさ”“女の子らしさ”が伸びる教育方針
第4回:学力を伸ばすコツは男女で違う!子どもの性別で見る学習傾向と、勉強法のひと工夫(※近日公開)
【プロフィール】
松永暢史(まつなが・のぶふみ)
1957年生まれ、東京都出身。慶應義塾大学文学部哲学科卒業。V-net教育相談事務所主宰。教育環境設定コンサルタント、学習アドバイザー、能力開発椅子トラクター。「サイコロ学習法」「ダイアローグ法」「抽象構成作文法」など多数の教育メソッドを開発。
子どもの個性に合わせてどのような教育をすることが正しいかを導き出し、学習計画、教育機関利用法、進学計画等を提案する。個人授業では国語を担当。『頭のいい小学生が解いている 算数脳がグンと伸びるパズル』(中経出版)