「まだ」が持つ言葉の力――失敗を恐れない前向きなマインドセットで子どもの人生が変わる
と言う子までいたそうです。
その一方で、「むずかしい問題だいすき!」「これやったら頭がよくなるよね!」と驚くほど前向きな反応を見せた子も。その差は何なのでしょうか?
マインドセットで何が変わるのか、また「しなやかマインドセット」を持てるようになるにはどうすればよいのかについて、順に見ていきましょう。
マインドセットで人生が変わる――「まだ」が持つ力
人は、赤ちゃんのときは失敗を恐れず成長し続けます。それが、いつしか「硬直マインドセット」が芽生え始めると、挑戦をやめて成長を止めてしまいます。もったいないですね。
そのマインドセットを再び変えてあげることができたら、どんなプラスなことが起こるのでしょうか。
■成績が変わる!
シカゴのとある高校では、卒業に必要な単位を取るのに失敗した生徒たちに、「不合格」ではなく「未合格」と通知するそうです。
“まだ合格ではない” とすることで、合格が待っている未来を描かせ、努力するよう促せるのです。“まだ” には、人の可能性を信じる力が潜んでいます。指導する側が、失敗を「結果」ではなく「経過」として捉えて子どもに接すること、それこそが「しなやかマインドセット」への誘導です。それを証明した事例があります。
ドゥエック教授の調査で、アメリカ・ニューヨーク州のハーレムやブロンクスなどの慢性的学力不足の学校に “まだ” づくしの「しなやかマインドセット」教育を施しました。結果は、成績が学区最下位だったその学年は、約1年後に1位になるという驚異的進歩を遂げたのです。「人は変わることができる」ことが証明された出来事でした。
■人間関係が変わる!
「硬直マインドセット」の人は自己顕示欲が強く、他人の目を気にするため、人に拒絶されると自分を全否定されたように感じ、恨みを抱きがちです。
一方「しなやかマインドセット」の人は相手を許す余裕があり、チームワークを大切にし、円満な人間関係を築けます。
成績と人間関係が変われば、人生に大きな影響を及ぼし得ます。子供たちが自分の可能性を信じられるようになるために、大人はどんな手助けをしてあげればいいのでしょうか?
「しなやかマインドセット」になるための3つのポイント
さあ、3つのポイントをみていきましょう!
【ポイント1】過程と努力を褒め、“まだ” の声かけを
テストやスポーツの成績において、重視すべきは結果や能力ではなく、過程と努力です。