子育て情報『「教育虐待」のやっかいな実態。今の子どもには “決定的に足りない” 時間がある』

「教育虐待」のやっかいな実態。今の子どもには “決定的に足りない” 時間がある

目次

・いまとむかしの「教育虐待」のちがい
・習い事の本来の意義を知る重要性
・壁に穴が空いたら赤飯を炊け
・いまの子どもには「ぼーっとする時間」が足りない
「教育虐待」のやっかいな実態。今の子どもには “決定的に足りない” 時間がある

「先行きが見えない」といわれる時代だからこそ、「子どものために」と考えて塾に通わせることはもちろん、子どもにあれやこれやと習い事をさせている親御さんは多いはず。でも、もしかしたら……自覚しないままに、「教育虐待」をしてしまっている可能性も否定できません。

そう語るのは、育児や教育に関する執筆活動の他、各種メディアで活躍する教育ジャーナリストのおおたとしまささん。教育虐待の実態から、現在の家庭教育がはらむ問題点を解説してくれました。

構成/岩川悟(slipstream)取材・文/清家茂樹(ESS)写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)

いまとむかしの「教育虐待」のちがい

教育虐待という言葉は新しいものではありますが、きっとむかしから似たようなことはおこなわれていたはずです。子どもに過剰に勉強をさせようとする、いわゆる教育ママは何十年も前から存在しましたよね。ただ、かつての教育虐待と現在のそれはニュアンスが若干ちがってきているようにも思います。


かつての厳しい家庭教育には、わかりやすい「ゴール」がありました。目指すのは東大をはじめとした難関大学に入学すること。そのゴールに達すれば、その後の子どもの一生が保障されると親は考えていたのです。

だからこそ、勉強させることについてはどこまでも厳しく徹底していた。テストの点が良くなければ、手を上げることもあったかもしれません。でも、逆にいえば、テストの結果が良ければ文句はいわない。そういうシンプルな構造のものでした。

一方で、いまは「学歴が役に立たない」ともいわれる時代です。
それはつまり、かつてのゴールがゴールではなくなったわけです。もちろん、「学歴が役に立たない」といっても、決して「学歴が必要ない」時代になったわけではありません。学歴はいまも一定の武器になることはたしかです。

でも、なかには高学歴を得たうえで、英語ができないといけない、プログラミングができないといけない、コミュニケーション能力が高くないといけない、プレゼンがうまくないといけない……といったさまざまな情報を鵜呑みにしてしまった親もいます。

そういう親が子どもをスケジュール漬けにしていることが、現在の教育虐待です。でも、子どもをそんなスーパーマンみたいな人間に育てようとすることは、果たして現実的でしょうか?
「教育虐待」のやっかいな実態。今の子どもには “決定的に足りない” 時間がある


習い事の本来の意義を知る重要性

そういう親は、そもそも習い事を子どもにさせることの意義を取り違えています。

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