東京大学名誉教授はこう答える! 子どもに「どうして勉強しないといけないの?」と聞かれたら
子どもは時に、大人をハッとさせるような疑問を投げかけてきます。その疑問に正確かつ誠実に答えようとすればするほど、「この答えは本当に子どもに響いているのかな?」「ちゃんと納得できたかな?」と不安になってしまいますよね。
今回は、いつの時代も大人を悩ませる子どもの疑問、「どうして勉強しないといけないの?」について、とことん考えてみましょう。
「将来のため」はNG
みなさんも子どものころ、親御さんに「どうして勉強しないといけないの?」と聞いたことはありませんか?すると、このような答えが返ってきたのではないでしょうか。
「いい大学に入るためだよ」
「今のうちに勉強しておかないと後で苦労するよ」
「なりたい職業につくためだよ」
確かにその通りですね。大人になってみると、学生時代にしっかりと勉強することの大切さや意味を実感することも多いはずです。でも、はたして、その回答で子どもは本当に納得し、勉強に対するモチベーションが上がるのでしょうか。
ふくしま国語塾主宰のカリスマ教師・福嶋隆史先生は著書の中で次のように述べています。
「「将来のためだから」と言われても、たいていの子どもは何年・何十年も先の自分の “将来像” をイメージすることなどできないので、あまり良い答えとは言えません」
また、教育・子育てアドバイザーの鳥居りんこさんは、勉強に悩む多くの中高生から相談を持ちかけられるそうです。そこで出たひとつの結論を紹介します。
優秀な子供が勉強する目的を見失った時に、大人が「試験のため」「知名度の高い大学へ行くため」「裕福な生活をするため」と言って丸め込もうとすると、親の期待とは正反対のところに着地するケースは少なくない。
そうした大人の意見は、幸せに至るひとつの“手段”であって、人生の“真の目的”ではないから子供の疑問解消には至らないのだろう。
(引用元:PRESIDENT Online|「なぜ勉強が必要?」子供への模範解答3)
ただ漠然と「将来のため」と言い聞かせても、いま現在勉強の意義について疑問を感じている子どもにとっては、納得のいく答えではないようです。ではいったい、どのような回答が望ましいのでしょうか。
「勉強する意味」の答えはひとつじゃない
ここからは、教育のプロや各界の著名人が「人生の先輩」として考えた回答を見ていきましょう。
■広い視野で世界を見るため
前出の鳥居さんは、藤沢市の聖園女学院中学・高校の校長、ミカエル・カルマノ神父に「人はなぜ勉強しなければならないのでしょう?」