子育て情報『「会議・交渉・契約書」で自己肯定感が育つ。子どもをぐんと伸ばす“おこづかい”のあげ方』

2019年3月30日 07:52

「会議・交渉・契約書」で自己肯定感が育つ。子どもをぐんと伸ばす“おこづかい”のあげ方

でも、大人と同じようにきちんと交渉して金額を決めた。その契約書は自分の机の大事なものを入れる引き出しに入っている――。そうすると、「我慢しなきゃ」と思うことにもなるはずです。

一方、親とすれば、子どものお金の使い方にはつい口を出したくなるものですよね。でも、それが親子で決めたルールの範囲内のものであったらどうですか?子どもにとって理不尽な口出しをすることもなくなるのではないでしょうか。

おこづかいの使いみちについていうと、それこそ家庭それぞれのルールになるでしょう。わたしなどは、「着色料が入ったお菓子は買っちゃ駄目」といわれて育った世代(笑)。ただ、アレルギーの問題などが絡むならともかく、あまり縛りすぎることはおすすめしません。
というのも、「失敗から学ぶ」こともすごく重要だからです。

ときには、「美味しそう!」と思って買ったお菓子が、食べてみたら思った味とは全然ちがった、まずかったという経験をすることもあるでしょう。コンビニでお菓子を買った後に親とスーパーに行ったら、同じお菓子がずっと安く売っていたことに気づくとかね。そういう失敗経験で学習することによって、子どもはお金を使うにも慎重になり、かしこい消費者に育っていくのです。

子どもというのは、本当に幼い頃から、「お金って不思議なものだな」と、お金に興味を示すものです。一緒に買い物に行った親が、お金というものを払ってほしいものを手に入れる。そういう場面に日常生活のなかで否応なく触れるため、子どもはお金に強い興味を示すようになる。だからこそ、お金から子どもを遠ざけるのではなく、お金がどういうものか、お金をどう扱えばいいのか、きちんと教えてあげることが大切なのです。


「会議・交渉・契約書」で自己肯定感が育つ。子どもをぐんと伸ばす“おこづかい”のあげ方


『子どもにおこづかいをあげよう!』
藍ひろ子 著・西村隆男 監修/主婦の友社(2014)
「会議・交渉・契約書」で自己肯定感が育つ。子どもをぐんと伸ばす“おこづかい”のあげ方


■ 横浜国立大学名誉教授・西村隆男先生 インタビュー一覧
第1回:「子どもにお金はまだ早い」ではなぜダメなのか。マネー教育不足はこんなにも危険だ
第2回:遅れが著しい日本の「マネー教育」。日本の子どもは“社会のなかで自立”できるのか?
第3回:「会議・交渉・契約書」で自己肯定感が育つ。子どもをぐんと伸ばす“おこづかい”のあげ方

【プロフィール】
西村隆男(にしむら・たかお)
1951年生まれ、東京都出身。横浜国立大学名誉教授。経済学博士。高校教諭を経て、横浜国立大学教育学部で25年教壇に立つ。

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