「昼寝のせいで夜なかなか寝ない」問題の解消法。朝のグズグズ防止にも効果大!
睡眠不足により脳・体・心にさまざまな影響があることが分かっています。子どもには充分な睡眠を取らせたいと思ってはいても、普段の生活ではなかなか理想どおりにいかないこともありますよね。今回は、睡眠に関するいろいろな質問に、明治薬科大学リベラルアーツ准教授駒田陽子先生が回答してくださいました。
構成・編集/木原昌子(ハイキックス)取材・文/田中祥子写真/児玉大輔(インタビューカットのみ)
昼寝の習慣は年齢に合わせて変えることが大切
疑問1:おねしょや寝言の睡眠障害が心配です。
幼年期や小学校低学年の子どもの場合、何より大切なのは生活習慣を整えてあげることです。まだ体も心も育っていく過程なので、おねしょや寝言などの睡眠障害と呼ばれるものの多くは、あまり心配しなくても良いのではないでしょうか。子どもが寝言を多く言ったり、おねしょをしたり、夢遊病で夜中歩き回ったりするのは、まだ脳がしっかりと成熟していないから。
子どもには結構起こりうることです。まずは規則正しく十分な睡眠時間を確保することを心がけましょう。
そのうえで昼間の行動を観察して、夜間に睡眠が取れているのに落ち着きがなかったり、何か問題だと思われることがあったりする場合は、睡眠の質が良くないかもしれません。例えば、寝ている間に呼吸が止まっていたり、足がムズムズしたり、足がピクンピクンと動いたりなどする場合、それが原因で睡眠が阻害されているという場合もあります。そういった場合には、睡眠のクリニックに相談してみることをおすすめします。
疑問2:保育園で昼寝をすると夜寝るのが遅くなってしまいます。
昼寝をする子どもの割合を調べると、2歳くらいまではほぼ100%が昼寝をしていますが、3歳になるとだいたい半数ぐらい、4歳では7割ぐらいのお子さんが昼寝をしなくなり、5歳になると9割ぐらい昼寝をしなくなります。そういった自然な成長の過程があるのですが、現在の日本の保育園では年齢に関係なく一律で昼寝を行い、年長(5~6歳)の年明け2月くらいから、小学校生活に慣れるために昼寝をやめるという方針をとっているところが多いようです。
しかし、4歳の子が2~3歳と同じように昼寝を長く取ってしまうと、夜寝るのが遅くなる傾向が強くなります。そこから、夜更かしが始まり、朝が起きづらくなり、保育園に行きたくないという子どもが出てくることも。保育園期間にみられた「登園しぶり」