美術鑑賞は “ぶらぶら歩きでいい加減に” 。子どもがアートに目覚める瞬間
最近は、施設やイベント面で子どもを意識する美術館が増えてきました。そのため、子どもたちが美術館に行くことへのハードルも、少しずつ下がってきています。
とはいえ、訪れる頻度は決して多いとは言えないのが現状。せっかく足を運んだなら、アート作品に触れる貴重な機会を生かして、存分に楽しみ、たくさん学んでほしいですよね。子どもたちのフレッシュな感性を解き放つ鑑賞法があるのをご存知ですか?
見方次第でアートがさらに身近に、親子のコミュニケーションにも一役買いそうな美術館の楽しみ方をご紹介します。
アート鑑賞が引きだす意外な能力
美術館を定期的に訪れる人はアート好きで、作品を目の当たりにすることで感性を磨いています。しかし最近は、それだけではないビジネス面でのメリットも話題に。
アート鑑賞がもたらす「創造的思考能力」の発達が、アメリカ・コロンビア大学の調査で証明されたのです。その能力とは、具体的に以下の4つです。
・問題解決力:より多くのアイデアや問題解決へのアプローチが考えられる
・オリジナリティ:より多くの創造的な問題解決アプローチを生み出せる
・進化させる力:問題を解決するプランを作成する際、より詳細なプランを練ることができる
・粘り強さ:多様な価値観を受け入れ、早計に判断を下さない。また解決策に対してすぐに満足しない
(引用元:Forbes JAPAN|世界のエリートに学ぶ「創造的思考力」の伸ばし方)
アートには “正解” がありません。作者の意図があったとしても、受け取り方は人それぞれ自由。そのため、「自分で考える」ことが必要になってきます。さらに、「それを人に伝え、人の意見も聞いて、判断する」というプロセスを経ることで「創造的思考力」のトレーニングになるのです。
そして、これらの能力は、将来仕事をする際に、どの業界でも共通して発揮できるもの。
子どもたちが幼い頃からアートに慣れ親しむことは、将来的に彼らの大きな力になりえるのです。
子どもがアートに目覚めるきっかけは親
2013年に行われた株式会社ライフメディアの美術館・美術展に関する調査(対象10~60代男女)によると、「美術館にはほとんど行かない」という人が半数を占め、「1年に1回以上行く」人は約3割でした。そして、「アートを身近に感じるか」の問いに対して「感じない」と答えた人は、なんと6割近くも。