「文字を見るのも嫌!」子どもを国語嫌いにさせないために、親がすべき低学年からの工夫
「子どもの理科離れ」――。もう何年も前から聞かれる言葉です。では、「国語」の場合はどうなのでしょうか?とくに、子どもの頃に国語が苦手だったという親御さんの場合、自分の子どもも国語を敬遠するようにならないかと心配していることでしょう。
お話を聞いたのは、全国国語授業研究会会長や教育出版国語教科書編著者も務める筑波大学附属小学校の青木伸生先生。国語に対する子どもの接し方の現状、さらに、子どもを国語嫌いにさせないための方法を教えてもらいました。
構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)
二極化している子どもの国語好きと国語嫌い
いま、子どもたちの国語に対する好き嫌いは、二極化しているように感じますね。国語が好きな子どもは自分でどんどん本を読んでいますし、逆に教科書の文字を見るのも嫌だという子どももいます。その差が大きく広がっていくと、後者の子どもは学年が上がるほど身につけるべき国語力を取り返すのが難しくなりますから、とても心配しているところです。
子どもの国語離れを進行させないためにも、教科書のつくり手もいろいろと工夫はしています。お子さんがいる人なら、以前と比べていまの教科書はイラストや写真が豊富ですごくカラフルになっていることはご存じでしょう。というのも、いまの子どもは生まれながらにして映像などさまざまに刺激的な情報のなかで生きていますから、教科書にもある程度の刺激がないと心が惹かれないからです。
ただ、入り口はそれでもいいとは思いますが、そこからいかに文字に意識を向けさせるかということが重要な課題だと感じています。読むことそのものの面白さや楽しさといったものを感じられないと、学年が上がり、教科書がシンプルになって文字が増えたときに拒絶反応を起こしかねないからです。
もちろん、そうさせないための努力は小学校でもしています。たとえば、図書室で教員が読み聞かせをして、その本に関連する別の本をみんなで探して読むといった、「図書」の時間の活動もそのひとつ。「今回は昔話を探そう」「『繰り返し』があるお話を探そう」といったふうに、あるテーマを持って読むことの面白さを感じさせるための活動です。
教科書の「本の紹介コーナー」に注目
こういうことが必要となっている背景には、家庭環境が以前と変わってきたことも大きいように思いますね。いまは誰もがスマホやタブレットを持っています。