子育て情報『作文力アップも期待できる! 文章の読み方の新習慣「フレームリーディング」とは』

作文力アップも期待できる! 文章の読み方の新習慣「フレームリーディング」とは

と思うかもしれませんね。でも、家庭でもできることがあります。

フレームリーディングは、先の例で動物の数を数えたように、まずは文章に出てくるものを「数える」ということが基本中の基本です。それが全体を見渡すことになるからです。ある物語の登場人物や出来事の数がわかるだけでも、ストーリー全体の輪郭がなんとなく見えてくるように感じませんか?

ですから、家庭で子どもと本を読んだときにも、「お話のなかにいくつの動物が出てきたかな?」といったふうに聞いてみてください。子どもは読み返しながら「2匹!」というふうに答えるでしょう。それで、子どもはお話全体をなんとなく見渡すことができます。

それから、重要な内容に的を絞る、つまり焦点化するときには、「選ぶ」ということをします。
「お話のなかに出てきた動物のなかで、いちばんすごいと思ったのはどれ?」と聞いてみると、子どもはまた読み返して「きちんと皮をむいてバナナを食べるサルはすごい!」というふうに答える。この時点ですでに内容を詳しく読み込むことになっている、「焦点化した読み」になっているのです。

「数える」と「選ぶ」。そのふたつをやらせるだけで、子どもの頭のなかでは、全体を見る、詳しく読むというフレームリーディングの基本を繰り返すことになります。家庭でも簡単にできることですから、ぜひチャレンジしてみてください。

作文力アップも期待できる! 文章の読み方の新習慣「フレームリーディング」とは


『青木伸生の国語授業 3ステップで深い学びを実現! 思考と表現の枠組みをつくるフレームリーディング』
青木伸生 著/明治図書出版(2017)
作文力アップも期待できる! 文章の読み方の新習慣「フレームリーディング」とは


■ 筑波大学附属小学校教諭・青木伸生先生 インタビュー一覧
第1回:子どもの主張はくみ取らなくていい!親だからこそできる、我が子の国語力アップ法
第2回:「宿題の定番」になるのも頷ける。意外だけどすごく重要な「音読」の4つの狙い
第3回:「文字を見るのも嫌!」子どもを国語嫌いにさせないために、親がすべき低学年からの工夫
第4回:作文力アップも期待できる!文章の読み方の新習慣「フレームリーディング」とは

【プロフィール】
青木伸生(あおき・のぶお)
1965年生まれ、千葉県出身。東京学芸大学卒業後、東京都の教員を経て現在は筑波大学附属小学校教諭。全国国語授業研究会会長、教育出版国語教科書編著者、日本国語教育学会常任理事、筑波大学非常勤講師なども務める。近年はフレームリーディングの専門家としても注目を浴びる。

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