学校給食は学びの宝庫! 食を通して身につける「自ら考え、判断する力」とは
成長期の子どもたちにとって、1日3回の食事はとても大切なものです。その目的は、ただ単に「成長に必要な栄養を取る」ことだけではありません。子どもたちは3度の食事を通して、「食べ物の栄養」「食べる時のマナー」「食べ物の流通や加工」そして何よりも「家族そろって楽しく食べるという心の栄養」など、人間としての成長に欠かせない学習をするのです。
今月は「子どもと食事」について、皆さんと一緒に学んでいきましょう!
子どもに「朝ごはん」はなぜ必要か
お父さんもお母さんも忙しいのか、最近は、家族全員が「朝ごはんを食べる習慣がない」という家庭もあるようですね。大人は空腹でなければそれで大丈夫ですが、子どもは違います。
子どもにとっての朝ごはんには、2つの大きな役割があります。1つは、体を元気に動かすエネルギー源としての役割。そしてもう1つは、体が成長していくための栄養やエネルギーとしての役割です。
特に脳はブドウ糖を必要としますので、朝、しっかり食べているかどうかは学習に影響します。下のグラフをご覧ください。文部科学省の「平成29年度全国学力・学習状況調査」でも、朝ご飯を食べる子どものほうが学力が高いという結果が出ています。棒グラフの色は、各科目とも左から順に「毎日食べている」「どちらかといえば、食べている」「あまり食べていない」「全く食べていない」です。
(Aは主として「知識」に関する問題、Bは主として「活用」に関する問題)
(画像引用元:千葉県|千葉県教育委員会|文部科学省「平成29年度全国学力・学習状況調査」及び、スポーツ庁「平成28年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果から見える相関関係)
また、『平成28~29年度児童生徒の健康状態サーベイランス事業報告書(日本学校保健会)』を見ると、朝ごはんを「毎日食べる・食べる日の方が多い」子どもの割合は、小学校低学年・中学年・高学年のいずれも95%を超えており、1・2年生では98%という高さでした。
しかしここで注目したいのが、子どもたちが「何をどのように食べているか」です。下のグラフから分かるように、主食しか食べていない子の割合は、低学年で29.9%。主菜のみ・副菜のみの子も含めて、約3割の子どもが朝ごはんを単品で済ませているのです。
食べているだけまだ良いように思うかもしれませんが、子どもたちの様子を見ていると決してそうとは言い切れないと感じます。