学校給食は学びの宝庫! 食を通して身につける「自ら考え、判断する力」とは
でも、嫌いなものがいくつかあっても、それはそれでいいと思います。
それから、三角食べは日本食の文化です。世界中の食べ物が日常的に食べられる今の時代、子どもが三角食べをしないのも不思議ではありません。小さいうちは三角食べの意義を理解するのは難しいですが、小学校の高学年になって食の文化が理解できるようになったら、日本食の時は三角食べがマナーだと知っていればいいかと思います。最近の学校給食では食べ方を強制することはあまりありません。ご家庭で、親が食べ方の見本を見せることが大切ではないでしょうか。
楽しい食卓の基本は「家族そろって」
【親御さんからの質問 3】
子どもには嫌いな食材を克服してほしいし、量もたくさん食べてほしい。だから、子どもがあまり食べないとつい「ちゃんと食べなさい」と言ってしまい、子どもが機嫌を損ねることも。
でも、本当は「食べること」=「楽しいこと」のはずですよね。食卓が楽しくなるヒントが知りたいです。
食卓はどうしたら楽しくなるのでしょうか?以前勤めていた学校で、子どもの偏食の克服を目的として、学校で野菜を育てて調理して食べるまでを子どもたちが主体的に行なう活動に取り組みました。トマトやキュウリやナスが嫌いと言っていた子どもたちが、なんと自分が育てた野菜は「おいしい」と言って食べるようになったのです。
一方家庭では、親御さんに「1週間に一度、家族そろって素材から調理して食べよう」という取り組みをしていただきました。家族そろって献立を考え、買い物に行き、みんなで手分けして料理して食べる。これに一番はまったのはお父さんだったというご家庭も多かったのですが、子どもたちの偏食が減り家族の関係も良くなったという報告をたくさん聞きました。子どもたちも、「昨日の夕ご飯はね」とおいしく食べた様子をたくさん話してくれました。
コンビニや惣菜屋さんで手軽に食べ物が手に入り、後片付けも簡単で忙しい大人にはありがたいですが、子育てにおける食事の基本は「家庭で料理して家族そろって食べる」こと。そのプロセスが大事なのです。子どもに克服してほしい食べ物があるなら、家族で献立を考える時に、親からその食材をメニューに盛り込むことを提案するといいですね。
そしてこの食事づくりの時間を家族でコミュニケーションを取る時間にすると、子どもがいろいろ話せるのではないでしょうか。ただし、話の内容には要注意。