「ルールを守れる子ども」はこうして育つ。親が子に与えるべき大事な “時間”
家族といってもそれぞれちがう人間同士の集まりですから、家庭にも「ルール」は必ず必要なものです。全米の女子高生が知性や才能、リーダーシップを競う大学奨学金コンクール「全米最優秀女子高生」で娘のスカイさんが優勝したことで注目を集め、ライフコーチとして日米で講演会やワークショップを展開する、アメリカ・ワシントンDC在住のボーク重子さんは、「家庭におけるルール」についてどんな考えを持っているのでしょうか。
構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/櫻井健司(インタビューカットのみ)
ルールは子ども主導で決めさせる
家族というのはひとつのチームです。そして、チームには必ず目的があります。では、家族というチームが目指す目的というと、やっぱり「家族の幸せ」ですよね。だとしたら、その目的のためにそれぞれの家族はなにができるのか――。そういう視点でつくるべきものが家庭におけるルールなのだとわたしは思っています。
親はもちろん、小さい子どもであっても、「宿題は自分ひとりでやる」「靴紐は自分で結ぶ」というふうに、やれることはいくらでもあるはずです。その際、親が子どもに押しつけるのではなく、家族全員で相談しながら「あなたは家族のためにどういうことができると思う?」と子どもに聞いて、子ども主導でルールを決めさせることが大切です。なぜならば、押しつけでは子どもの責任感が育たないからです。
ただ、子ども自身が決めたルールであっても、問題が起きて守れないということも出てくるでしょう。そういうときに叱ってはいけません。ルールを守れなかった理由を聞けば、「もっともだ」ということも多いものです。大人だって、公私を問わず理由があって約束を守れないということもあるでしょう。家族のルールもそれと同じです。
日本人は真面目ですから、「ルールは絶対に守るべきもの」と考えがちです。でも、例外のないルールというものはありません。家庭のルールというのは、あくまでも家族の幸せを目指すための「ガイド」だととらえましょう。
子どもは遊びのなかでルールの重要性を学ぶ
「ルールは守るべきもの」という考えを持っている人にとっては、ルールの対極にあるように思えるものが「遊び」かもしれません。そういう人からすれば、遊びは禁じたり制限したりするものというとらえ方をしてしまうはず。
でも、じつは遊びには子どもの成長を促す大切な要素がたくさん詰まっています。