子どもに新たな読書体験、物語作り体験を! お話を作って遊べるボードゲーム3選。
子供に文学に親しんでもらいたい、と考えている親御さんは多いはずです。でも、そもそも「文学」とは何でしょう?すぐに思い浮かぶのは、名作小説かもしれませんね。ゲームや漫画は含まれないと思ってはいませんか?
「文学」の意味するものは、時代によって変わっていきます。たとえばゲームや漫画のような、一昔前だったら「くだらない」と片付けられてしまったり、教育の場からは締め出されてしまっていたりした表現物が、今では少しずつ現代を代表する文化表現の形として認められつつあります。
今回はその中からボードゲームを取り上げて、伝統的な形では「文学」とは呼べない、けれど、豊かな「物語」の世界をご紹介したいと思います。
Netflixの双方向ドラマが「文学賞」受賞! 漫画も候補に!?
この数年間、英語圏の文学賞には大きな動きがありました。イギリスでもっとも評価の高い文学賞はブッカー賞です。
英連邦から広く作品を集め、優れた小説を表彰するもので、ノーベル賞作家であるカズオ・イシグロ氏も1989年に受賞しています。今年からはアメリカ国籍の作家も対象に含まれることになり、まさに英語圏で最も重要な文学賞の一つに数えられるでしょう。
そのブッカー賞の候補作に、2018年ニック・ドルナソ氏のグラフィックノベル『サブリナ』(Sabrina)が並びました。これは芥川賞の候補作に漫画が並ぶようなもので、大きな衝撃を与えました。コミック(漫画)作品が同賞の候補となったのはこれが初めてです。
同じく2018年、アメリカのサイエンスフィクションおよびファンタジーの重要な賞であるネビュラ賞は新たに「ゲームライティング部門」を設立すると発表しました。初回のゲームライティング賞を受賞したのは Black Mirror: Bandersnatch です。Netflix上で発表されたインタラクティブな映画で、視聴者が様々な選択をすることで物語が変わっていきます。
「文学」という言葉を聞くと、私たちはほとんど自動的に、印刷された書籍の形を思い浮かべます。さらに、「主に文字のみで表現された」「小説」を思い浮かべるかもしれません。けれど、これ自体がかなり限られた時代の感覚です。印刷した書籍ではなく、手で写された手稿が一般的だった時代もありますし、詩や戯曲が主流だった時代もあります。
文学の主流は何なのかが、今また少しずつ変わりつつあるのかもしれません。