想像力を高めるには「棒読み」が有効!? 読み聞かせの新常識とは
絵本の読み聞かせには教育効果があるということは、多くの方がご存じでしょう。しかし、読み聞かせの方法によって、伸びる能力の種類が変わるということは、あまり知られていないかもしれません。今回は、読み聞かせの方法別の教育効果や、読み聞かせのさまざまなコツについて紹介します。
読み聞かせには親子ともにメリットあり
人気ゲーム「脳トレ」の監修を担当した、東北大学・川島隆太教授の脳科学研究グループは、山形県長井市と共同で読み聞かせに関する研究を行ないました。約40組の幼児とその家族に読み聞かせをしてもらったところ、平均で約5歳3カ月相当であった子どもたちの語彙力が、8週間後には平均で約5歳9か月となり、8週間で約半年分語彙力が伸びたそうです。また、子どもの問題行動が減り、不安や抑うつ状態が減少したともいいます。
さらには、読み聞かせの時間が長いほど、母親が育児中に感じるストレスが減っているという結果も出たのだそう。特に、子どもが言うことを聞かない、落ち着きがないといった際に感じるストレスが減少したそうです。
これは、読み聞かせそのものが母親のストレス軽減につながったのではなく、読み聞かせを続けて子どもの問題行動が減ったことによって、母親がそれまで感じていたストレスの減少につながったと考えられています。
読み聞かせには、親子ともにメリットがあるといえるでしょう。
読み方を変えるとさらなるメリットが!
さまざまなメリットがある読み聞かせですが、読み方を変えることで伸びる能力がそれぞれ違います。具体的には以下の通りです。
・一音一音ハッキリ読む→集中力が上がる
教育環境設定コンサルタントの松永暢史さんが推奨している、絵本に書かれた一字一字のすべてをハッキリ発音する読み方です。抑揚をつけたりせず、ゆっくり淡々と読み聞かせます。一音一音ハッキリ読むことで「今までじっと聞いていられなかった子どもが、じっと聞いている」という報告があったと松永さんはいいます。口をしっかりと動かしながら、母音を正しく発音して読み聞かせることで、子どもにとってより聞きとりやすくなるのでしょう。
・感情を込めて読む→感受性が高まる
絵本スタイリスト®の景山聖子さんは、感情を込める読み方について以下のように解説しています。
子どもには、読み手の「自然な感情」が伝わります。その人の想いや生き様が、読み聞かせに如実に反映されるのです。(中略)感情を込めて行う読み聞かせは、子どもたちに様々な想いを伝えることで、子どもの感受性を豊かにします。
(StudyHackerこどもまなび☆ラボ|子どもの「感受性」