子育て情報『「先生に言いつけるよ」がダメな理由。自己主張できない子が育つ“4つのNGなしつけ”』

「先生に言いつけるよ」がダメな理由。自己主張できない子が育つ“4つのNGなしつけ”

目次

・これからの時代に求められる適切なコミュニケーション能力
・気がねする子どもにしてしまう「4つのNG」
・子どもの人生を決めるのは親ではない
「先生に言いつけるよ」がダメな理由。自己主張できない子が育つ“4つのNGなしつけ”

コミュニケーション能力の重要性が声高に叫ばれるなかで、「うちの子は引っ込み思案で……」と悩んでいる親も多いかもしれません。でも、もしかしたらそういう「気がねする」子どもにしてしまっているのは親自身かもしれないのです。その可能性を指摘するのは、長年にわたって「気がね」を研究テーマとしてきた東京都市大学人間科学部教授の井戸ゆかり先生。必要な場面ではしっかり自己主張できる子どもに育てるために、親はなにをするべきなのでしょうか。

構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)

これからの時代に求められる適切なコミュニケーション能力

日本人の特性のひとつとして、いいたいことをストレートにいわない、あるいはいえないということが挙げられます。これは、「他人に対して気を遣って自分が本当にしたいことをしないでいる」ということで、いわゆる「気がねする」ことです。

「気がね」はわたしの研究テーマで、修士論文も博士論文もテーマは「気がね」でした。
なぜかというと、わたし自身が気がねする子どもだったからです。自分でいうのも少し変ですが、子どもの頃のわたしはいわゆる一般的に見た優等生。それだけに、まわりの期待を強く感じてしまったり、ちょっと失敗をするだけで周囲の大人に驚かれたりしました。そういう経験の積み重ねによって、わたしは周囲の評価を怖がる、気がねする人間になってしまったのです。

その後、海外で生活する機会があり、なぜ外国人はこんなにストレートにいいたいことを表現できるのかと感じたものです。一方で、この日本人の特性はあまりいいこととはとらえられない側面もありますが、「察する」ことが文化として根づいている日本の社会で円滑にコミュニケーションをするためには必要だという一面もあると思います。

ただ、これからのグローバル社会を意識すれば、そうもいっていられないこともあります。外国人からすれば自分の意見をいわない日本人は「なにを考えているのかわからない」とも見られます。
外国人たちと協働していかなければならないこれからの時代には、気がねすることなく、相手や場面に応じて適切に自己主張をしていくコミュニケーション能力を身につけることが求められるはずです。

「先生に言いつけるよ」がダメな理由。自己主張できない子が育つ“4つのNGなしつけ”

気がねする子どもにしてしまう「4つのNG」

そもそもなぜ人は気がねするようになるのでしょうか。わたしは自分の研究を通じて、その要因は次の「4つのしつけ」

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