夏バテ・熱中症になりやすいの子どもの特徴。「暑さに強い体づくり」の要はココにある!
最近は地球の温暖化が様々な形で自然環境に影響し、体が暑さに慣れる前にいきなり暑くなることがよくあります。また、日本の夏は高温多湿でじめっとした暑さが続くので、からだの調子を崩しやすいもの。いわゆる「夏バテ」の経験があるお子さんも多いかもしれませんね。さらに、体調が良くないと「熱中症」のリスクも高くなります。今月は、夏を元気に乗り越えるために子どもたちの生活を見直してみましょう。
夏バテとは何か?
「夏バテ」という言葉はよく使いますが、夏バテとはどのような状態をいうのでしょうか。一般的には、「食欲がなくなる」「体がだるくなる」などがよく知られていますが、暑くて夜よく眠れなくなると自律神経の働きが崩れ、「疲れやすい」「イライラする」「やる気がなくなる」など心身両面に影響が及ぶのです。
お子さんに「食が細くなる」「すぐに疲れたと言う」「お部屋でダラダラしている」などの様子が見られたら、それは夏バテの兆候の可能性があります。これが続くと、夜眠れなくなったり、朝起きられなくなったりするほか、体重が増えなくなるばかりか減ってしまう子どももいます。「たかが夏バテ」と侮っていてはいけないのです。また、夏バテになると熱中症にもなりやすくなるので注意が必要です。
夏バテ、熱中症の子どもが増えた背景
実は最近、子どもたちに夏バテや熱中症が起こりやすくなっています。その背景について詳しく説明しましょう。
人間は恒温動物ですから、外気温が暑くなっても寒くなっても体温を一定に保つ能力をもっているはずです。しかし、1978年にNHKが、故正木健夫先生(日本体育大学教授)の調査をもとにした「警告!子どものからだは蝕まれている」という特集を報道し、子どもたちの体がおかしくなっていることに警鐘を鳴らしました。
その後1979年に立ち上げられた「子どものからだと心連絡会議」は、子どもの体温に関する調査を随時行っており、朝の体温が低い低体温の子どもや、暑くなっても汗がかけなくて体に熱がこもってしまう高体温の子どもたちが出てきたことを報告しています(※1)。人間の体温の日内変動は0.5度ぐらいといわれているのですが、2度以上も体温が上がってしまう子どもたちが出てきたのです。こうした高体温の子どもは、熱中症にかかる危険率が高くなります。
私の養護教諭としての経験のなかでも、9月の新学期に体調の悪さを訴える子どもたちが増え、午前と午後の体温を測定してみたところ、午前は36度台だったのに午後は38度以上に上がってしまったという子どもが何人もいてびっくりしたことがあります。