子育て情報『動物園は子どもの「心」を育てる場所。“楽しみながら動物を知る”ことの大きな価値』

動物園は子どもの「心」を育てる場所。“楽しみながら動物を知る”ことの大きな価値

その目的は何といっても、子どもたちが動物とふれあうことで、動物を身近に感じられるようになることです。しかし、動物たちにとっては、たくさんの人間に触られることは大変なストレスになります。そのため最近では、動物について正しく学んでいただいた後に、飼育員の指示に従って動物をひざに乗せて一定時間だけふれあっていただくようにしています。また、上野動物園では人数制限を設け、整理券を配布しています。それぞれの動物園が動物の福祉や安全を尊重しながら運営していますので、必ず動物園ごとのルールを守って動物にやさしく接してあげてください。

動物園は子どもの「心」を育てる場所。“楽しみながら動物を知る”ことの大きな価値

(公財)東京動物園協会提供

地球にはたくさんの動物がいる。それを知ってもらうことが動物園の役目

動物園の役割は、「レクリエーション」「教育」「野生動物の保護」「研究」の4つです。そのうちの「野生動物の保護」というのは、絶滅危惧種となった希少動物を増やして野生に戻していくこと。
『それなら、人に見せない閉鎖施設でやれば効率的だ』と考える方もいらっしゃいます。確かに、動物にとってはそのほうが良いかもしれませんが、動物を増やして元の環境に戻しても、周りの人間にその動物を守ろうという気持ちがなければ、また同じように絶滅の危機に追いやられるかもしれません。動物園で動物のことを知ってもらうことで、多くの人たちにそれらの動物たちを何とかしてあげたいと考えてもらう環境をつくる。それが、今の動物園の一番大きな使命なのです。

たとえば、みなさんは、ジャイアントパンダが絶滅の危機だと聞くと、保護してあげなきゃいけないと考え、行動する人もいるでしょう。それはたぶん、みなさんがジャイアントパンダという存在を知っているからです。しかし、名前を知らない動物が絶滅の危機にあると聞いても、あまり心は動かされないのではないでしょうか。

また、家の向かいにシロという犬が飼われていて、毎日学校に行くときに頭を撫でてあいさつをしているとします。
そのシロが病気になって死にそうだったら、とても悲しくなって何とかしてあげたいと思いますよね。動物園の役割は、地球上にいるさまざまな動物を「向かいのシロ」のように思ってもらうことです。動物を見て、自分と同じように生きている身近な存在に感じることが保護の気持ちにつながります。一般的に嫌われがちな蛇やコウモリも、持っている能力のすごさを知ってもらいリスペクトされることが大切なのです。

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