自由研究の“正しい”調べ方とまとめ方。絶対に守るべき「体裁の基本」~調べ学習のコツ・後編
全国の学校をまわり、子どもたちにとって魅力的な学校図書館づくりをされている赤木かん子さん。ある学校図書館の改装を手掛けたときに、壁に貼られていた調べ学習のまとめの模造紙を目にしてショックを受けました。資料の出典が明記されていないなど、内容が曖昧なまま発表されていたのです。以来、正しい調べ学習の仕方や発表のまとめ方を小学校で指導していらっしゃいます。
調べ学習のテーマが決まったら、次は実際に調べて結果をまとめます。調べ方や、参考文献の書き方、著作権といった子どもでも知っておかなければいけない調べ学習の基本を赤木さんに教えていただきました。
編集/木原昌子(ハイキックス)取材・文/田中祥子写真/児玉大輔(インタビューカットのみ)
調べ学習は3つの方法で
何かを「調べる」には、
「人に聞く」「本やインターネットで調べる」「実際にやってみる」の3つの方法があります。
小学校低学年は自分の暮らす地域について調べることが多いので、「本で調べる」のと同じく「人に聞く」のも経験することになります。
家族や友だちだけでなく、地域の人を訪ねて話を聞くことも必要になるかもしれません。消防署や市役所など大きな公共施設では、まず受付に行って案内を請うことや、相手の都合を聞くことを教えておくのも大切。電話でアポイントを取らないと会えない人もいます。こういうことは子どもひとりでは判断がつきませんから、親御さんがアドバイスしてあげてください(埼玉福祉会から『ひとにきくってどうやるの?』という紙芝居三冊セットが出ています。図書館に頼んで買ってもらって、まずは大人が読んでみて、そのあとお子さんにも読んであげてください。ひとつひとつは簡単なことですが、子どもが自分で思いつくのは案外難しいものです)。
小学校高学年になると、恥ずかしい気持ちが出てきて人前でしゃべれなくなってしまうこともあるので、無邪気な低学年のうちに「人に聞く」という体験を通じて、礼儀正しく大人に尋ねる練習をしておくと良いですよ。
あらかじめ挨拶や質問、お礼の言葉などをカードに書かせて用意しておけば、人前で緊張しても間違えずに相手に伝えることができます。
次に「本やインターネットで調べる」場合、インターネットでは最新情報が見つかりますが、事実かどうかまだわからないものも混ざっていることがありますね。逆に、本の中の情報の大部分は世界的に承認されていることですが、発行されるまでに時間がかかるので、情報は古いものになりがちです。