理数教育だけじゃない! スーパーサイエンスハイスクール(SSH)がスゴい理由
中高一貫校や高等学校の情報を調べていると、いくつかの学校に「スーパーサイエンスハイスクール(以下、SSH)」という肩書きがあることに気づくはずです。このSSHを、単に「理数教育に特化した学校」と解釈してはいませんか?
実際には、SSH指定校は理数教育を充実させるのはもちろんのこと、それらを通して、新しい時代に必ず必要となる重要な能力を高めてくれる学校であると言えます。そればかりか、「難関大学への進学者が多い」という説も。
今回は、そんなSSHについて、詳しくご紹介します。
スーパーサイエンスハイスクールは「理科大好き」な子どもを増やすために誕生!
かつて、日本では、子どもたちの「理科離れ」が大きな問題となっていました。しかし、理科で学ぶ内容は、豊かな生活や社会経済の発展、産業競争力の強化には欠かせないものです。そこで、文科省は、「理科好き」を増やすための施策として、「科学技術・理科大好きプラン」を開始しました。そのプランの一環として2002年度に誕生したのが、SSHです。
SSHとは、先進的な理数教育を実施する高等学校等を文科省が指定する制度、および指定された学校のことを言います。SSHに指定された学校は、文科省からの支援を受け、理数教育に重点を置いた新しいカリキュラムの研究開発を実施。将来、国際的に活躍する科学技術関係人材の育成に役立てます。
文科省は、2019年度現在、新規性のあるカリキュラム等の研究開発を行なう「開発型」と、過去にも指定を受けている学校がより実践的な研究開発を行なう「実践型」の2型に分けて学校を指定しています。これらを「基礎枠」(指定期間5年)とし、ほかに社会との共創に取り組む「科学技術人材育成重点枠」(期間最長5年)、幹事校・参画校・接続大学でコンソーシアムを組む「高大接続枠」(期間最長5年)を設置。計3枠2型の指定校を選定しています。
2019年3月に発表された新規の指定校は、「基礎枠」の「開発型」が14校(国立1校、公立13校)、「実践型」が18校(国立1校、公立13校、私立4校)、「科学技術人材育成重点枠」が4校(公立3校、私立1校)、「高大接続枠」が1コンソーシアム(幹事校県立1校、参画校県立4校、接続大学1大学)。既存の指定校と合わせると、2019年度の指定校は全212校となります。