体が動くと、心が動く――。アート鑑賞のトレンドが「体感型」にシフトしている
のように、“あそび” のもうひとつの意味「余裕・緩み」の意味も再確認。「みんな同じでなくていい」「失敗してもいい」と心を自由に解き放つことで、創造力を育むことが趣旨の展覧会です。
あそびはシンプルなものばかり。廃材タンスの壁のボルダリング、的に向かってひたすらボタンを投げる、全身で影絵を作る、お面を作る、ブロックで言葉遊び、などなど。体と感性を使って遊べるさまざまなコーナーがあります。それらは全て、アーティストと子どもが一緒に作り上げるアート作品でもあります。子どもそれぞれ夢中になるあそびはきっと違うはず。好きなものに好きなだけ時間をかけて楽しんでください!
③『クルクルパラパラ 動くアートの秘密展』(島根)
浜田市世界こども美術館にて2019/9/23(月)まで開催中
子どもたちの創造力と感性を養うために美術とふれあってほしいとの思いから、1996年に誕生したのが、浜田市世界こども美術館です。
企画展がほぼ途切れることなく開催され、近隣の小学校や幼稚園とも連携し、「ミュージアム・スクール」も実施されています。
今年の夏のテーマは「動く作品」。その仕組みや秘密、歴史を紐解いていく体験型現代美術展を開催中です。昔から子どもたちを夢中にさせるパラパラ漫画やイギリス発祥のソーマトロープなどの古いものから、今大人気の最新アニメーションへの変遷を楽しみながら体感できる、子どもたちがワクワクできる魅力的な展覧会となっています。
④『シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート』(神奈川)
ポーラ美術館にて2019/12/1(日)まで開催中
子どもに優しいポーラ美術館が、初めての試みで、現代アートをテーマにした展覧会を開催中です。所蔵のモネ、セザンヌ、ピカソ、ダリなど巨匠の作品と、そこからインスピレーションを受けた現代アーティストのコラボレーションは、おもしろい観点です。“アートから発想をえて、世界を広げる” というすばらしい実例を子どもたちが体感できる貴重な機会となるでしょう。土地柄を生かし、そこに「自然との共生」というテーマも加わり、全身でさまざまなものを体感することで、アートの世界観が広がります。
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「体が動くと、心が動く」
これは、横浜美術館で30年近く「子どものアトリエ」のエデュケーターを務める山﨑優さんが、多くの子どもたちと接するなかで感じたことです。