危険にも種類がある。挑戦が達成感に変わる「リスク」と「ハザード」はどう違うのか?
そういう在り方がプレーリーダーには大切です。イメージとしては、ときには前に出ることもあるけれど、子どもからは直接見えない少し後ろに控えている感じでしょうか。
そもそも、子どもが自由に遊ぶというときに、プレーリーダーも含めて大人はかかわり過ぎるべきではありません。「この子は自分で遊べる」と思う子どもには、まず任せるというかかわり方をします。そういう意味では、それぞれの子どもをよく観察する必要があります。
いってみれば、風邪をひいている子どもに対するお医者さんの見立てのようなものかもしれませんね。「温かくして寝ていればいいよ」という子どもには、とくになにもする必要はないのです。でも、「薬を出したほうがいいな」という子どもにはなんらかの助け舟を出す、という具合です。
一方で、保護者とのかかわりもプレーリーダーにとって欠かせない役割です。子どもだけでなく、保護者の人たちにも安心してもらうことが大切だとわたしは考えています。わたしもそうですが、親というのはいつでも子どものことが心配なものです。ついつい「あれは駄目、これは駄目」といいたくなるものなので、子どもが遊んでいる姿を一緒に見ながら、保護者に「大丈夫ですよ」と声をかけることもありますね。
ちがったパターンとしては、親自身にも遊んでもらうようすすめることもあります。というのも、親も一緒にその遊びを楽しんでいれば、子どもは親の目を気にすることなく思い切り遊べるものだからです。
徹底的に排除すべき「選びようがない危険」
また、「危険のコントロール」もプレーリーダーの重要な役割となります。プレ―リーダーは、どんな危険も排除するわけではありません。
危険にも種類があって、ひとつは「リスク」と呼ばれます。これは、子どもが自分にとってちょっとハードルが高い遊びに挑戦するときに伴う危険です。でも、もしその挑戦が成功したら、達成感を得られるなど大きなリターンを得ることができる。ですから、よほど無理な挑戦をしようとしていない限り、子どもが自分の意志でリスクを冒すことを止めることはありません。
一方で、子どもが自分の意志で「選びようがない危険」もあります。たとえば、子どもの顔の高さに突き出ている針金や、結び目が緩んだロープなどがそれに該当します。それらは「ハザード」と呼び、できる限り排除するようにしています。
また、のこぎりなどの道具を子どもが使うときにも危険が伴います。