火を使う、泥だらけになる、びしょ濡れになる。子どもたちの自由な発想と独創的な遊び方
一般的な公園とはちがって、「禁止事項は基本的になし!」というプレーパーク。それだけに、未経験者からすれば、「子どもたちが実際にどんな遊びをしているのか」ということが気になるのではないでしょうか。お話を聞いたのはプレーパークのエキスパート・嶋村仁志さん。20年以上にわたってプレーパークにかかわってきた嶋村さんは、子どもたちの自由な発想が弾ける独創的な遊びをいくつも目撃してきました。
構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人
他の子どもの遊び方を見ているだけでもいい
プレーパークというと、基本的には一般的な遊具は少ないものですが、それでも、ブランコやすべり台などの遊具を設置しているところもあります。というのも、はじめて遊びに来た子どもからすれば、なじみがある遊具があれば、それだけすんなりと遊びはじめることができるからです。いわば、自由な遊びへの「入り口」として設置しているわけです。
そうしてブランコやすべり台で遊んでいるなかで、他の子どもたちの遊びを観察することになるでしょう。見たこともない遊びなら、当然、好奇心がくすぐられることになる。そうして未経験の遊びの世界へ進んでいくのです。
また、すべり台で遊ぶにも、プレーパークに何度も通っているような子どもなら、普通の使い方ではないオリジナルの遊び方をしているという子どももいます。それを見てすぐに真似をする子どももいれば、後日、友だちを連れて来て、さも自分が考えたかのように「面白い遊び方があるんだぜ」なんていって遊ぶ子どももいますね(笑)。
そういうふうに、年齢や経験がちがう子どもたちが集うところがプレーパークの面白いところです。ちっちゃい子どもたちからすれば、年上のお兄さんやお姉さんの遊び方はそれこそアイデアの宝庫のような存在ですから、そういう年上の子どもの遊び方をずっと観察しているような子どももいますよ。それはそれで、その子どもにとってはなにかを学んでいる、考えている瞬間ですから、なにも元気良く走り回っていることばかりがいい遊びというわけでもないのです。
プレーパークならではの火を使った遊び
それから、プレーパークの特徴として大きいのは「火を使える」ということ。もちろん、そのことが遊びにも大きな影響を与えます。火の扱いに慣れている子どもの場合、最初の着火するところからやりたいという気持ちが強いものです。