自慢が多い子は承認欲求が強い。自己主張がエスカレートする原因は「親の褒め方」だった
逆に、叱られたり否定されたりして親に受け入れてもらえなかった子は、なかなか上手に表現できるようになりません。なぜなら「自分にもできるということを絶対にわかってもらいたい。強く言わないとわかってもらえない」という気持ちが強烈にはたらき、より自己主張がエスカレートしてしまうからです。
だからこそ、まず優先すべきは「子どもの気持ちを受け入れること」。そのうえで、次のことに注意しましょう。
他者と比較して褒めるのはNG
お子さんを褒めるとき、お友だちや兄弟など、ほかの誰かと比較して褒めていませんか?たとえば「お兄ちゃんはできなかったのに、あなたはできてすごいね!」「△△ちゃんより上手だったよ」「□□くんに負けないでえらかったね」などです。
榎本先生は、「親が優越感にひたるために、他の子と比べて自分の子を持ち上げるような褒め方をしていたら要注意です」と警告しています。
なぜなら、比較意識が強くなり、他人へのねたみや敵対心が生まれてしまうから。
たとえそのときは勝っていても、そのうち追い越される時期が訪れるかもしれないこと、そして得意だと思っていたものがなくなると、より大きいダメージを負ってしまうことーー。私たち大人も、これらをきちんと理解しておかなければならないでしょう。
ですので、わが子を褒めるときは、人と比べるのではなく本人の成長を褒めるように意識してください。「前はここまでだったのに、こんなにできるようになったね」というように、子どもなりの成長の過程を評価してあげるといいでしょう。
子どもの存在そのものを認める
一般社団法人 子育て心理学.協会代表理事の東ちひろさんは、子どもが自慢ばかりすることに悩んでいる保護者に向けて、「特別になにかができていなくても、子どもの存在そのものを認めてあげましょう」とアドバイスしています。
たとえば、「今日のカバン、重そうね」「今日は青いお洋服にしたのね」「手を洗ってうがいもしたのね」のように、目に見えたことをそのまま言葉にしてみるといいそうです。「え!?そんなことでもいいの?」と不思議に感じるかもしれませんが、これらの言葉は子どものことをよく見ていないと言えません。
子どもが自慢するときは、どこかに「自分の存在を認めてほしい」という気持ちが隠されているので、当たり前だと思えるようなことでもその都度言葉にして伝えてあげることが大事なのです。