自慢が多い子は承認欲求が強い。自己主張がエスカレートする原因は「親の褒め方」だった
一見たいしたことない日常の些細な声かけも、それを積み重ねることによって、子どもは自分の存在に自信を持てるようになります。
自慢 “される” 側の悩み
最後に、わが子がお友だちから自慢ばかりされて落ち込んでいるときの対処法を考えていきます。持ち物の自慢、成績の自慢など、些細なことでも大げさに自慢するタイプの子どもはいますが、普段仲良くしているお友だちがいつも自慢話ばかりをしていたら疲れてしまいますよね。
そもそも、お友だちの自慢話に影響を受けて気分が落ち込むような子どもは、とても感受性が豊かで人の気持ちや周りの状況をよく見ている子。相手の話をいちいち真剣に聞き、それに対してきちんと応えなければいけないと思うからこそ、疲れて落ち込んでしまうのです。
親野先生によると、「こういう子はストレスを溜め込む傾向があるので、家ではリラックスできるようにしてあげましょう。そして、たくさん話を聞いてやることが大切です」とのこと。
また、いろいろな体験をさせてあげたり、得意なことを褒めてあげたりすると、子どもの自信につながりたくましい心が育まれていきます。
学校や習い事以外でも、地域の活動やワークショップ、子どもだけで参加するキャンプなど、人間関係を広げることで「私を受け入れてくれる場所はたくさんある」という心の余裕につながります。
そして、できればイヤなことはイヤだとはっきり言えるように導いてあげることも大切です。お友だちの自慢話に直接「NO!」を突きつけるのではなく、さりげなく話題を変えたり、聞き流したりすることも、遠回しではありますが「NO」の表現です。
『はっきり「NO!」と言える子に』(PHP研究所)の著者で臨床心理士の植松紀子先生は、「『NO』が言えない子は、相手を恐れている場合と、相手の気持ちを気づかっている場合があります。子どもは子どもなりに、その場の空気を読んでいます」と述べています。ですから、親御さんからは「イヤだな、と思ったら、正直に『イヤ』と言っていいんだよ」と言葉で伝えてあげましょう。そして普段から家庭の中でも、自分の意思をはっきりと表現できるように練習するといいかもしれませんね。
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大人の自慢話とは違い、子どもの自慢話は大げさな表現による「ただの報告」である場合も多く、あまり深読みする必要はありません。
ただし、あまりにもしつこい場合や、特定の相手にだけ自慢を繰り返す場合は、承認欲求が満たされていないということも。