“親の価値観”を押し付けすぎると、子どもは考える力を失う。「~~しなさい」にご注意を
などと、子どもの読書欲を削がない言葉をかけてあげましょう。そのうえで、どうしても子どもに読んでほしい本があるなら、「自分が読むこと!」と天野さんは提案しています。親が興味を持って読んでいるものは子どもの心を惹きつけるので、まずは親がお手本を見せてあげるといいでしょう。
親が「子どものために」といくら環境づくりに励んでも、子どもにとっては「何でも勝手に決められてしまう」としか映りません。前出の筑波大学附属小学校の田中先生は、「難しい本に焦って出会わせなくても、考える子に育つ環境づくりはもっと身近なところにある」といいます。
まずは、日々のお手伝いやお出かけの準備といった小さなことなどから、子どもたちに「選ばせて」「決めさせる」ように心がけましょう。たとえばお出かけのとき、子どもの靴まですべてそろえていませんか?
たまにはいじわるして、とってもいい天気なのに長靴を置いてみたりする。我が子がどのように動くか少し離れて観察してみると面白い。もしも、何も疑わず長靴をはいて天気のいい日にでかけていったとしたら、少し我が子への接し方を見つめ直した方がいいかもしれない。
(引用元:現代ビジネス|わが子の「考える力」を奪う親たち、その意外過ぎる共通点)
反対に、長靴を見た子どもが「どうして長靴なの?」と言ったり、外を見て「雨は降っていないよ」と言ったりするようなら、自分の頭で物事を考えているということ。このように、日常の中の小さな出来事をきっかけにして、「自分で考える力」を身につけることは可能です。その延長として、親の意見や価値観をそのまま鵜呑みにしない強い心が養われていくでしょう。
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子どもが「親の言うことは絶対!」と信じ込むのはよくありません。自信を奪い、自立への妨げになってしまいます。わが子を心配するあまり、すぐに正解を出してしまったり、自分の思い通りになるように誘導したりすると、いずれ子ども自身が「選べない」「決められない」人間になってしまうかも。ここは一歩引いて、お子さんを信じて見守ってあげませんか?
(参考)
DIAMOND ONLINE|子どもの価値観を決めるのは「○○価値」である
現代ビジネス|わが子の「考える力」を奪う親たち、その意外過ぎる共通点
東洋経済ONLINE|子どもを追いつめる、親たちの「願望と正論」「押し付け」を変えるための「6つの提案」
プレジデントムック(2017)