「進級できない。スイミングやめたい!」と子どもがいったら、親はどうすればいい?
スイミングでつまずくのは、どのタイミング?
技術面で見ても、スイミングを習う過程でつまずくタイミングはさまざまです。まず、最初の壁は「顔に水をつけること」。日本水泳連盟会長・青木剛氏は、「水に慣れていない人は、顔を水につけるのを怖がる」といいます。しかし泳げるようになるためには、水に顔をつけて、目も開けられるようにしなければいけません。
次に気をつけたいのが「水に浮くこと」。おぼれることへの恐怖心があると、体に力が入り水に浮けないことがあると青木氏はいいます。しかし、水に浮いた状態から立ち上がれるようになれば、恐怖心は一気に和らぐとのこと。スムーズに立つためには、浅いプールで練習すること、そして目を開けて上下の区別が付けられるようにすると良いそうですよ。
「いつでも立ち上がれるのだ」という安心感があれば、不思議と水が怖くなくなる。怖さがなくなってしまえば、どんどんと泳ぎも上手になっていく。
(引用元:青木剛 (2005),『水泳―オリンピックのスーパースイムでうまくなる! (めざせ!スーパースター)』, ポプラ社.)
いよいよ泳ぎ始めるとなったら、次は「息つぎ」という壁が立ちはだかります。息つぎが上手くいかないと、進級基準の距離やタイムに届かない原因になります。青木氏によると、意外と苦労するのがクロールと平泳ぎの息つぎなのだそう。
クロールでつまずく人は息つぎの際に上体を起こしてしまい、水の抵抗で体が沈んでしまうといいます。平泳ぎの息つぎはクロールより難しくないものの、うまくできないとスピードが落ちる原因になるとのこと。一方で、バタフライの息つぎはそれほど難しくないそうです。
親の声かけで子どものやる気は上下する
では、進級テストになかなか合格できず、子どもがスイミングスクールに通うのを嫌そうにしていたら、親はどのように声をかければよいのでしょうか?
■無理やり続けさせようとする言葉はNG
「頑張るって言ったじゃない」「あと1年は続けなさい」「簡単に辞めたら癖になるからダメ」といった、習い事を無理に続けようとさせる言葉はNGだと、教育評論家の親野智可等氏はいいます。脳が急激に発達し、さまざまことを吸収する時期にある子どもにとっての1年は、大人の5年に相当するのだそう。そんな貴重な時期に、やりたくないことを無理にやらせるのは、子どもの成長を妨げると親野氏は述べています。