性格統計学の提唱者が語る。「親子は考え方も似る? それはただの思い込みです」
「物心ついた子どもとのコミュニケーションを取るのが難しい……」と悩んでいる親はかなりの数で存在するはずです。「そういう人はかなり多い」と語るのは、人間関係研究家の稲場真由美さん。稲場さんは、16年間、延べ12万人の統計データをもとに「性格統計学」という独自の理論を構築しました。それによると、人間は4つのタイプにわけることができ、それぞれのタイプによって行動や発想のパターンが異なるため、たとえ親子であってもコミュニケーション・ギャップが生まれるのだそう。
構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)
16年間、延べ12万人の統計データから生まれた「性格統計学」
顔や体形が遺伝するように、性格も遺伝するものだと多くの人が思っていることでしょう。でも、じつはそうではありません。人間には生まれ持った性格のタイプがあるのです。
それなのに、多くの親は「自分がうれしいと感じることだから、子どももうれしいと感じるはず」「自分が得意なことだから、子どもも得意なはず」というふうに思い、自分の考えを押しつけてしまいがちです。そうして、意思疎通ができずに親子関係がうまくいかなくなるということが起こるのです。
自分の子どもであっても、「もしかしたら、わたしとはタイプがちがうかも」と考えることがなによりも大切です。「自分がうれしいと感じることだから、子どももうれしいと感じるはず」といった思い込みをまずは払拭して、フラットな気持ちで子どもと接するだけでも、親子関係はずいぶんよくなるはずです。
ですが、こういうわたし自身、かつてはまさに「自分がうれしいと感じることだから、相手もうれしいと感じるはず」と思い込んでいる人間でした。でも、家庭でも仕事関係でも、人間関係がどうもうまくいかないということが多かったのです。そのとき、ある一定の人とのあいだでそういう問題が起きることが多いと気づいたのです。もしかしたら、人間にはいくつかのタイプがあり、それぞれにコミュニケーションや行動に癖があるのではないか――そう考えたことがわたしの「人間関係研究家」としてのスタートでした。
そして、16年間で延べ12万人の統計データを蓄積して構築したのが、わたしが提唱する「性格統計学」です。
ふたつの軸によってわけられる人間の4タイプ
この性格統計学では、ふたつの軸によって人間を4つのタイプにわけます。