子どもを伸ばす「良いストレス」と心身を追い込む「悪いストレス」の違いとは
しかし、「本当は行きたくない」「自分には絶対無理だ」と感じながら、長時間の勉強に耐えている状況であれば、心身のバランスを崩してしまう可能性が大いにあるのです。
ストレスとの付き合い方を教えてあげよう!
では、子どもを悪いストレスから守るために、親として何ができるでしょうか。それは、子ども自身が自分のストレスに対処できるよう導いてあげることです。子どもがストレスを感じた際、親にできることをご紹介しましょう。
「こう言えば伝わるよ」と教えてあげる
みなさんは、ストレスがたまったら自分で対処しているのではないでしょうか。日本ストレスマネジメント学会事務局長である桜美林大学の小関俊祐氏は、それは対処法が身についているからこそできることだと言います。
たとえば、大人は、他人から嫌なことを言われても反論する知恵がありますよね。一方、子どもは、お友だちから嫌なことを言われても、語彙が足りなかったり、すぐに言葉が出なかったりして、上手に対応できません。
そういうときは、「こうしたらいいんだよ」「こう言えば伝わるよ」と保護者が教えてあげましょう。
小関氏は例として、“お友だちのおもちゃで遊ぼうとしたら「ダメ!」と言われ、どうしたらいいのかわからずお友だちを叩いてしまった” なんてことがあれば、「そういうときは、ちゃんと『貸して』って言うんだよ」と何度も教えることが大切だと述べています。
また、お友だちに悪口を言われて落ち込んでいるとしたら、「○○ちゃんは自分のこと、そんなふうに思う?思わないでしょう?それなら気にする必要ないよ」と丁寧に伝えましょう。
大人であれば、当然のように解決できる些細ないざこざでも、子どもにとっては大きな問題になりかねないもの。上記のように、大人ならではの視点で対処法を教えてあげることが大切です。
ストレスの発散法を提案する
たまったストレスを発散するにも、初めは親のガイドが必要です。たとえば、子どもが勉強に煮詰まってストレスをためているようなら、「ちょっと一緒に散歩しない?」「休憩がてらおやつ食べたら?」といった声かけをしましょう。このとき、子どもの好き嫌いに合わせて提案してあげるのがポイント。
当然ですが、運動が嫌いな子に、「気分転換に走りに行こう」と提案しても意味がありません。「気分転換にしたいこと、ある?」と聞いてみるのもひとつの手ですよ。